みなさんこんにちは!
サラリーマンの大樹です。
今回は、私が「リーダーとは何か」を改めて考えさせられた一冊、『リーダーの仮面』をご紹介します。
毎回お伝えしていますが、私は営業畑でキャリアを積んできました。
新卒では食品メーカーで営業を担当し、1年目に社長賞を受賞。その後も複数回受賞する機会をいただきました。
「営業としてもっと成長したい。」
その思いから、より難易度の高い無形商材の営業へ挑戦し、現在はコンサルティングファームで営業として働いています。
学生時代には不動産関連の営業も経験しており、振り返ると、これまでの人生の多くを営業に費やしてきました。
そんな私ですが、営業として成果を出すだけでは十分ではないと感じる場面が増えてきました。
後輩にどう伝えるべきか。
チームで成果を出すには何が必要なのか。
「好かれる上司」と「成果を出す上司」は何が違うのか。
プレイヤーとしてではなく、リーダーとしての悩みが少しずつ増えてきたのです。
そんなタイミングで出会ったのが、『リーダーの仮面』でした。
この本は、「優しい上司になろう」と教えてくれる本ではありません。
むしろ、「優しさだけでは人は育たない」という、一見すると厳しいメッセージを投げかけてきます。
しかし、読み進めるうちに、その言葉の本当の意味が少しずつ見えてきました。
今回は、本書の内容を紹介するだけではなく、営業やコンサルティングの現場で私自身が感じたこと、そして「私が目指したいリーダー像」についても交えながらお話ししていきます。
この記事を読むと分かること
- 「優しい上司」が必ずしも良い上司ではない理由
- 『リーダーの仮面』が伝えたいリーダーシップの本質
- 「ルフィ型リーダー」と「仕組み型リーダー」の違い
- 明日から実践できる部下育成の考え方
部下に嫌われたくない。
リーダーになったことがある人なら、一度はこんなことを考えたことがあるのではないでしょうか。
「厳しく言ったら嫌われるかもしれない。」
「できれば、相談しやすい上司でいたい。」
「部下とは良い関係を築きたい。」
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
私も営業として働き始めた頃は、まったく同じことを考えていました。
後輩には優しく接したい。
困っていたら助けたい。
できるだけ相手の気持ちを尊重したい。
そんな先輩になれたら理想だと思っていました。
しかし、仕事を続ける中で、ある違和感を覚えるようになります。
「優しく接しているのに、相手が成長しない。」
その場の空気は悪くなりません。
後輩から嫌われることもありません。
でも、一年後を振り返ると、同じミスを繰り返している。
何度教えても改善されない。
私は「優しさ」が足りないのではなく、「伝え方」が足りないのだと思っていました。
ところが、『リーダーの仮面』を読んで気づいたのです。
もしかすると足りなかったのは、優しさではなく「仕組み」だったのではないかと。
この本は、多くの人が思い描くリーダー像を根本から覆します。
「リーダーは好かれなくていい。」
最初にこの一文を読んだとき、私は少し反発を覚えました。
「そんなことを言っても、人は感情で動くじゃないか。」
そう思ったからです。
しかし読み進めるほどに、「なるほど」と納得する場面が増えていきました。
『リーダーの仮面』が教えてくれるのは、「冷たい上司」ではない
タイトルだけを見ると、この本は感情を捨てた冷酷なマネジメント論のように感じるかもしれません。
ですが、実際はまったく違います。
著者が伝えたいのは、
「感情で組織を動かすな。仕組みで組織を動かせ。」
ということです。
例えば、評価基準。
上司によって評価が変わる会社では、部下は何を頑張ればいいのか分かりません。
ある上司は「挑戦したこと」を評価する。
別の上司は「結果しか見ない」。
これでは、部下は上司の顔色を見るようになります。
しかし、評価基準が明確ならどうでしょう。
誰が上司でも同じ評価を受ける。
何を達成すれば評価されるのか分かる。
努力する方向が明確になります。
これは冷たい仕組みではありません。
むしろ、公平な仕組みです。
『リーダーの仮面』は、感情を否定しているのではなく、感情によって組織運営がブレることを問題視しているのです。
営業現場で感じた「優しさの落とし穴」
この考え方を読んで、私は営業時代のある出来事を思い出しました。
後輩が、お客様への提案資料を持ってきた日のことです。
内容は決して悪くありませんでした。
でも、お客様が「この提案を採用する理由」が伝わらない資料でした。
当時の私は、
「いい感じだね。」
「あと少しだけ直せば大丈夫。」
そんなふうに伝えました。
相手のモチベーションを下げたくなかったからです。
ところが翌週、別の案件でも同じような資料が出てきました。
その瞬間、気づきました。
私は相手を傷つけないことを優先するあまり、成長に必要なフィードバックを避けていたのです。
もし『リーダーの仮面』の考え方で伝えるなら、こうなるでしょう。
「この資料では、お客様は意思決定できない。」
「理由は三つある。」
「①課題が曖昧、②競合との差が見えない、③導入後の効果が数字で示されていない。」
「この三点を修正すれば、お客様は判断しやすくなる。」
一見すると厳しい言葉です。
しかし、改善点は明確です。
次回から同じ失敗を繰り返す可能性も低くなります。
優しさは、その場の空気を守ります。
一方で、基準は未来の成長を守ります。
この違いは、営業という仕事の中で何度も実感してきました。
そして私は、この考え方は営業だけではなく、コンサルティングやスポーツ、さらには日常生活にも当てはまるのではないかと考えるようになりました。
優しい上司より、「基準を示す上司」の方が部下は育つ
営業だけではありません。
私が現在働くコンサルティングの現場でも、「優しさ」と「成長」は必ずしも一致しないと感じる場面があります。
例えば、レビューです。
資料をレビューするとき、
「ここ、少し分かりづらいね。」
「もう少し良くなると思うよ。」
このようなフィードバックは、一見すると優しく聞こえます。
しかし、受け取る側からすると意外と困ります。
何をどう直せばいいのか分からないからです。
一方で、
「結論が最後に書かれているから伝わらない。」
「このグラフでは比較対象がない。」
「このスライドは30秒で理解できる構成に変えよう。」
ここまで具体的に伝えられれば、修正するポイントが明確になります。
もちろん、その場では少し厳しく感じるかもしれません。
ですが、次からは同じ指摘を受けることが減ります。
つまり、本当に部下の成長を考えるなら、守るべきなのは「感情」ではなく「基準」なのです。
『リーダーの仮面』が繰り返し伝えているのも、この考え方でした。
リーダーの役割は、部下に好かれることではありません。
「成果が出る基準」を組織に浸透させることなのです。
強いチームは「気合い」ではなく「仕組み」で勝つ
この考え方はスポーツでも同じです。
私はボルダリングが好きですが、上達する人には共通点があります。
センスがある人だけが強くなるわけではありません。
毎回動画を撮る。
登れなかった原因を分析する。
次回は違うムーブを試す。
課題を記録する。
こうした仕組みを持っている人ほど、安定して成長します。
逆に、
「今日は調子が悪かった。」
「なんとなく登れなかった。」
これだけで終わってしまうと、次も同じ失敗を繰り返します。
筋トレも同じです。
毎回重量を記録する人。
フォームを撮影する人。
食事を管理する人。
こうした人は、才能だけではなく「仕組み」で強くなっています。
実は、仕事もまったく同じなのです。
成果を出す人ほど、感覚ではなく再現性を大切にしています。
だから私は、『リーダーの仮面』を読んで、「これはマネジメントの本というより、再現性を作る本なのだ」と感じました。
それでも私は、ルフィのようなリーダーに憧れる
ここまで読んでいただくと、
「じゃあ、感情はいらないのか。」
そう思う人もいるかもしれません。
ですが、私はそうは思いません。
この本を読み終えたあと、真っ先に頭に浮かんだのは、『ONE PIECE』の主人公ルフィでした。
ルフィは、評価制度を作りません。
目標管理シートもありません。
マニュアルもありません。
それでも、仲間は命を懸けて彼についていきます。
なぜでしょうか。
それは、ルフィが誰よりも仲間を信じるからです。
仲間が失敗しても責めない。
困っていれば助ける。
自分の利益より仲間を優先する。
だからこそ、ゾロも、ナミも、サンジも、「この船長についていきたい」と思うのです。
現実でも、「理想の上司は誰ですか」と聞かれたら、ルフィのような人を思い浮かべる人は多いでしょう。
私自身もそうです。
だからこそ、この本を読みながら、ずっと考えていました。
「ルフィと『リーダーの仮面』、どちらが正しいのだろう。」
私がたどり着いた答え
考え続けて、一つの結論にたどり着きました。
それは、
ルフィは「憧れるリーダー」であり、『リーダーの仮面』は「再現できるリーダー」である。
ということです。
ここが、この本の一番面白いところだと私は思います。
ルフィの魅力は、人間性です。
仲間を信じる力。
覚悟。
行動力。
言葉より背中で示す姿勢。
しかし、それは誰でも真似できるものではありません。
同じように振る舞っても、人は同じようについてきてくれるとは限らないのです。
一方、『リーダーの仮面』が教えているのは、才能ではありません。
評価制度。
役割。
ルール。
フィードバック。
目標設定。
つまり、「誰でも実践できる仕組み」です。
だから組織に再現性が生まれる。
私はここに、この本の本当の価値があると感じました。
「仕組みだけ」でも、「人間味だけ」でも、人は育たない
ここまで『リーダーの仮面』の考え方を紹介してきました。
しかし、私はこの本を読み終えても、一つだけ素直に賛成できなかったことがあります。
それは、「仕組みさえ作れば組織はうまくいく」という考え方です。
もちろん、著者はそんな単純なことを言っているわけではありません。
ただ、読者によっては「感情は不要なんだ」「ルールだけで人を動かせばいいんだ」と受け取ってしまうかもしれません。
私はそこに少し違和感がありました。
仕事をしていると、ルールでは解決できない瞬間が必ずあるからです。
大きな失注で落ち込んでいる後輩。
初めてプロジェクトリーダーを任され、不安そうな同僚。
何度挑戦してもうまくいかず、自信を失っている新人。
そんなときに必要なのは、評価制度ではありません。
「大丈夫。一緒に考えよう。」
という一言だったりします。
人はロボットではありません。
感情があります。
だからこそ、どれだけ優れた制度を作っても、それだけでは組織は動かないのです。
「心理的安全性」と「甘やかすこと」は違う
最近は「心理的安全性」という言葉を耳にする機会が増えました。
Googleの研究でも、高い成果を出すチームには心理的安全性が共通していると言われています。
この言葉だけを聞くと、「怒らない上司が良い上司」「優しい組織が理想」と考えてしまいがちです。
しかし、それは少し違います。
心理的安全性とは、
「何をしても許される環境」ではありません。
安心して意見を言えること。
失敗を共有できること。
分からないと言えること。
挑戦できること。
これが心理的安全性です。
一方で、成果を求めないこととは別の話です。
野球でも、サッカーでも、ボルダリングでも、「楽しくやろう」だけでは強くなれません。
目標があります。
基準があります。
振り返りがあります。
だから成長できます。
会社も同じです。
心理的安全性がある組織ほど、実はフィードバックは率直です。
人格は否定しない。
でも、仕事には妥協しない。
私は、そのバランスが本当に大切だと思っています。
私はルフィにはなれない
この記事を書きながら、何度も思いました。
私はルフィにはなれません。
あれほど真っ直ぐで、人を自然に惹きつけるカリスマもありません。
背中だけで仲間を導けるほど強い人間でもありません。
だからこそ、『リーダーの仮面』に価値を感じました。
仕組みは学べます。
評価の仕方も学べます。
目標設定も学べます。
フィードバックも改善できます。
つまり、「再現できる」。
これは、多くのビジネスパーソンにとって大きな希望です。
才能がなくても、リーダーとして成長できる。
そう教えてくれる本だからです。
でも、ルフィを捨てたくはない
一方で、私はルフィのような人間味を捨てたいとは思いません。
困っている仲間がいたら手を差し伸べたい。
挑戦した人を応援したい。
成果だけで人を評価したくはない。
人として信頼されるリーダーでありたい。
その気持ちは、これからも変わらないと思います。
だから私が目指したいのは、ルフィか、『リーダーの仮面』か、どちらかを選ぶことではありません。
ルフィのような人間味と、『リーダーの仮面』が教える仕組みづくりを両立できるリーダーです。
仕組みがあるから、公平に判断できる。
人間味があるから、安心して挑戦できる。
この二つは対立するものではなく、お互いを支え合うものなのだと思います。
読書は、答えを探すためではない
私は読書をするとき、「著者の考えをそのまま採用しよう」とは思っていません。
むしろ大切なのは、
「自分ならどう考えるか」
です。
『リーダーの仮面』は、私にリーダーの正解を教えてくれた本ではありません。
私自身のリーダー像を考えるきっかけをくれた本でした。
だから私は、明日からもこの本を思い出しながら後輩と向き合うでしょう。
優しさだけで終わっていないか。
仕組みだけに頼っていないか。
その両方を問い続けながら。
おわりに
本を読む目的は、知識を増やすことだけではありません。
仕事の中で試し、自分の考えを更新し、昨日より少し成長することです。
『リーダーの仮面』は、私に「リーダーとは何か」を教えてくれた本ではありません。
「自分はどんなリーダーになりたいのか」を考えさせてくれた本でした。
私はルフィにはなれません。
でも、ルフィのような人間味には憧れ続けます。
そして、『リーダーの仮面』から学んだ仕組みを武器に、誰でも再現できる強い組織をつくっていきたいと思います。
読書を、仕事の成果につなげる。
この一冊もまた、明日の仕事を少しだけ変えてくれる一冊でした。





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