「エース営業が異動すると売上が落ちる」「担当者しか案件が分からない」。そんな属人化した組織は本当に強いのでしょうか。『とにかく仕組み化』をもとに、営業・コンサル・マネジメントで成果を再現する組織づくりを、営業現場の実例を交えながら解説します。
みなさんこんにちは!
サラリーマンの大樹です。
突然ですが、こんな経験はありませんか?
エース営業が異動した瞬間、売上が落ちた。
担当者が休んだだけで案件が止まった。
引き継ぎをしたはずなのに、「前任者しか分からない」とお客様に言われた。
営業の世界では、決して珍しい話ではありません。
でも私は、こうした場面を見るたびに思います。
その組織は、本当に強い組織なのでしょうか。
もちろん、優秀な営業がいることは素晴らしいことです。
私自身、これまで多くのトップ営業と仕事をしてきました。
提案が上手い人。
誰よりもお客様から信頼される人。
難しい案件でも、自然と受注まで持っていく人。
そんな人たちを何人も見てきました。
しかし、その一方でこんな組織も見てきました。
「あの人しか分からない。」
「あの人が休むと案件が止まる。」
「あの人が異動したら売上が落ちる。」
それは、本当に強い組織なのでしょうか。
私は違うと思っています。
優秀な人が成果を出すことと、
組織が成果を出し続けることは、まったく別の話です。
そんなことを考えていたときに出会ったのが、『とにかく仕組み化』でした。
この本を読んで、私は「仕組み」という言葉の意味が大きく変わりました。
以前は、
「ルールを増やすこと。」
「マニュアルを作ること。」
「自由を減らすこと。」
そんなイメージを持っていました。
でも、この本が教えてくれたのは違います。
仕組みとは、人を縛るものではありません。
普通の人でも成果を出せる環境を作るものです。
そして私は、この本を読み終えたあと、一つの結論にたどり着きました。
優秀な人がいる組織は強い。
でも、普通の人でも勝てる組織はもっと強い。
今回は、本書で学んだことだけではなく、営業の現場で実際に感じたことも交えながら、「本当に強い組織」とは何かを考えていきます。
この記事を読むと分かること
- なぜ組織は属人化するのか
- 『とにかく仕組み化』が伝えたい本質
- 営業現場で実践できる仕組み化の考え方
- 普通の人でも成果を出せる組織の作り方
属人化した組織は、本当に強い組織なのか
『とにかく仕組み化』を読んで、私が最も印象に残ったのは、「組織は放っておくと必ず属人化する」という考え方でした。
営業では、成果を出す人ほど独自のやり方を持っています。
商談の進め方。
提案書の作り方。
お客様との関係構築。
どれも経験から身につけた、大切なノウハウです。
しかし、そのノウハウが本人の頭の中だけにあるとしたらどうでしょうか。
その人が異動した瞬間、
組織からノウハウも一緒になくなってしまいます。
つまり、
成果を出していることと、
成果を組織へ残していることは違うのです。
私は、この違いこそが「属人化」だと考えています。
そして、この本には、その原因として「性弱説」という考え方が登場します。
私は以前、
営業記録を書き忘れる人を見るたびに、
「もっとしっかり書けばいいのに。」
そう思っていました。
しかし、『とにかく仕組み化』を読んで、その考えは変わりました。
本書では、「性弱説」という考え方が紹介されています。
人は忘れます。
人は迷います。
人は疲れます。
だから、営業記録を書き忘れるのも、人として自然なことなのです。
重要なのは、
「忘れない人」を育てることではありません。
忘れても情報が漏れない仕組みを作ることです。
私は、この考え方こそが仕組み化の出発点だと感じました。
人を変えようとするのではなく、
環境を変える。
その発想が、営業だけでなく組織全体を強くしていくのだと思います。
営業記録を書きましょう。では、仕組みにならない
ここからは、この本を読んで私が営業で最初に思い浮かべたことを紹介します。
それは、「営業記録」です。
どこの会社でも、
「営業記録を書きましょう。」
と言われます。
しかし、それだけでは仕組みにはなりません。
商談が終われば、すぐに次の商談。
移動中に電話。
メールの返信。
気付けば夕方になり、
「あとで書こう。」
と思った営業記録は、翌日になると細かな会話を思い出せなくなります。
私は以前、
「営業記録を書かない営業担当が悪い。」
そう考えていました。
でも今は違います。
人は忘れます。
忙しくなれば優先順位も変わります。
だから営業担当を責めても、同じことは何度でも起こります。
必要なのは、
営業担当を変えることではありません。
営業記録の仕組みを変えることです。
私ならまず、
「営業記録を書きやすくする」
ことではなく、
「営業記録を読めば状況が分かる」
ことを目指します。
例えば入力項目は、
- 今回の商談目的
- お客様の課題
- 意思決定者
- 次回アクション
- リスク・懸念事項
この5項目だけに絞ります。
しかも、自由に書いてもらうのではありません。
商談で話す順番と同じ流れで入力できるようにします。
すると、
「何を書けばいいんだろう。」
と悩む時間がなくなります。
入力時間も短くなります。
書き漏れも減ります。
でも、本当に大きく変わったのはここからでした。
営業記録の型を統一すると、
役員との会話が変わったのです。
以前の営業会議では、
「この案件、今どうなってる?」
「お客様は何て言ってた?」
「次は何を提案する予定?」
そんな確認ばかりでした。
営業担当は状況を説明する。
役員は状況を理解する。
そこで会議が終わります。
もちろん必要な時間です。
しかし、その時間から新しい価値は生まれていません。
私は、この会議に少しもったいなさを感じていました。
営業記録の型を統一してからは違いました。
役員は会議の前に営業記録を読めば、案件の状況を理解できます。
だから会議では、
「競合への対策を一緒に考えよう。」
「この部署にも紹介できそうだね。」
「この提案は他のお客様にも横展開できそうだ。」
そんな会話が増えました。
つまり、
確認する時間が、考える時間へ変わったのです。
私は、この変化こそが仕組み化の価値だと思っています。
仕組みとは、仕事を増やすものではありません。
報告のための仕事を減らし、
お客様と向き合う時間を増やすものです。
営業担当は営業に集中できる。
役員は意思決定に集中できる。
その結果、お客様へ提供できる価値も大きくなります。
私はこれこそが、
「普通の人でも勝てる組織」
への第一歩だと思っています。

責任と権限がそろって初めて、仕組みは動き出す
営業記録の仕組みを考えていると、もう一つ重要なことに気付きました。
それが、「責任と権限」です。
『とにかく仕組み化』でも繰り返し語られていますが、この二つは必ずセットで考えなければなりません。
例えば、
「営業記録は必ず当日中に入力してください。」
というルールだけ作ったとします。
でも、
商談が連続で入っている。
移動時間も長い。
社内会議も続いている。
そんな状況では、現場はルールを守れません。
ルールを守れない営業担当が悪いのでしょうか。
私はそうは思いません。
現場が守れる仕組みになっていないだけです。
だから私は、
「入力してください。」
ではなく、
「入力できる環境を作る。」
ことがマネジメントだと思っています。
例えば、
- 商談終了後15分は予定を入れない
- スマートフォンから入力できるようにする
- 入力項目は5つだけに絞る
- 役員も同じフォーマットで確認する
ここまで整えて初めて、
営業担当へ「当日中に入力してください」とお願いできます。
責任だけ与えても、人は動けません。
権限や環境だけ与えても、成果は出ません。
両方がそろって初めて、仕組みになります。
私は営業だけでなく、マネジメントでもこの考え方を大切にしています。
適材適所とは、「一番成果が出る場所」を作ること
『とにかく仕組み化』を読んで、もう一つ印象に残ったのが「適材適所」という考え方でした。
本書では、「降格=負けではない」という趣旨の話が登場します。
最初は少し意外でした。
しかし営業を続けるほど、この言葉の意味が分かるようになりました。
会社ではよく、
「売れる営業だからマネージャー。」
という人事があります。
もちろん、それで成功する人もいます。
でも、
営業が得意な人と、
組織を強くするのが得意な人は、必ずしも同じではありません。
自分で売ることは平均的でも、
後輩を育てるのが上手い人。
仕事を標準化するのが得意な人。
仕組みを作ることが好きな人。
こうした人も、組織にとって欠かせない存在です。
重要なのは役職ではありません。
その人が最も価値を発揮できる場所で活躍することです。
私は、それこそが本当の意味での適材適所だと思っています。
理念があるから、仕組みは続く
本書では、「理念」の重要性についても語られています。
最初は、
「仕組み化」と「理念」は別の話だと思っていました。
でも営業の現場で考えると、すぐにつながりました。
例えば、
「営業記録を必ず書いてください。」
と言われるだけでは、
「仕事が増えた。」
と感じる人もいるでしょう。
でも、
「営業がお客様と向き合う時間を増やすため。」
「確認会議を減らして、相談する時間を増やすため。」
という目的が共有されていたらどうでしょうか。
営業記録は、報告のための仕事ではありません。
お客様へより大きな価値を届けるための仕事になります。
私はここで、理念と仕組みはセットなのだと気付きました。
理念があるから、人は納得して動ける。
仕組みがあるから、理念を継続できる。
どちらか一つでは、組織は長く続きません。
仕組みばかりだと、人間味がなくならないか
ここまで読むと、
「仕組みばかりだと、人間味がなくなるのではないか。」
そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。
私も以前はそう思っていました。
営業という仕事は、人と人との信頼関係で成り立っています。
マニュアルだけでは、お客様との信頼は築けません。
だから、すべてを仕組み化すればいいという考え方には私も賛成できません。
しかし、『とにかく仕組み化』を読んで、一つ考え方が変わりました。
仕組み化するのは、
「考えなくてもいいこと」
だけでいいのです。
営業記録の書き方。
提案書のフォーマット。
案件管理の方法。
レビューの流れ。
こうしたものは仕組みに任せればいい。
その代わり、
お客様の課題をどう解決するか。
どんな提案なら喜んでもらえるか。
競合との差別化をどうするか。
こうした答えのない仕事に、人は時間を使うべきです。
つまり、
仕組みは思考を奪うものではありません。
本当に考えるべき仕事へ集中するための土台なのです。
仕事は、型があるから自由になれる
私は趣味でボルダリングをしています。
初心者へ、
「もっとスムーズに登ろう。」
「力を抜こう。」
と言っても、ほとんど伝わりません。
だから最初は、
「右足をこのホールドへ。」
「腰を壁へ近づけよう。」
「腕ではなく足で立とう。」
という”型”から教えます。
すると、不思議なくらい登れるようになります。
料理も同じです。
レシピがあるから、誰でも同じ味を再現できます。
そして基礎を身につけた人が、自分なりの工夫を加えていきます。
仕事も同じです。
最初から自由にやるのではありません。
まずは再現できる型を身につける。
その上で、自分らしさを発揮する。
私は、それが本当の成長だと思っています。
私が『とにかく仕組み化』から学んだこと
この本を読んで、一番変わったのは、「仕組み」に対する考え方でした。
以前の私は、
仕組みとは、
ルールを増やすこと。
自由を減らすこと。
そう思っていました。
でも今は違います。
仕組みとは、
普通の人でも成果を出せる環境を作ること。
そして、
優秀な人が持っている知識や経験を、組織全体の財産へ変えることです。
優秀な営業は、売上を作ります。
でも、
優秀なマネージャーは違います。
売上を作る仕組みを作ります。
私はこれからも、
「優秀な人」を増やすことより、
「普通の人でも成果を出せる仕組み」
を作れる人でありたいと思っています。
優秀な人がいる組織は強い。
でも、
普通の人でも勝てる組織はもっと強い。
それが、『とにかく仕組み化』を読んで私がたどり着いた答えです。
人は忘れます。
人は迷います。
人は疲れます。
だからこそ、
人を責めるのではなく、
仕組みを改善する。
私は、それが本当のマネジメントだと思っています。
読書を、仕事の成果につなげる。
『とにかく仕組み化』は、仕組みの作り方を教えてくれる本ではありません。
普通の人でも成果を出し続けられる組織の作り方を教えてくれる一冊でした。





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