「ちゃんと考えて決めたのに、なぜ判断を間違えるのか」。『行動経済学が最強の学問である』をもとに、人の意思決定を左右する「認知のクセ・状況・感情」を解説。仕事や日常で判断ミスを減らすために、僕が実践している判断軸、複数案、壁打ちの使い方まで紹介します。
みなさんこんにちは!サラリーマンの大樹です!
「自分でちゃんと考えて決めた」
そう思っていたのに、あとから振り返って、
「本当にこれが一番よかったのかな」
と思ったことはないでしょうか。
僕にもあります。
身近な例なら、衝動買いです。
何かを見た瞬間、
「これ、欲しいな」
と思う。
そのときの自分には、ちゃんと理由があります。
デザインがいい。
便利そう。
前から気になっていた。
値段も許容範囲。
だから買う。
買った瞬間は、
「欲しかったから、自分で選んだ」
と自然に思います。
もちろん、それ自体は間違いではありません。
ただ、時間が経って振り返ると、別の要素も見えてきます。
期間限定だった。
値引きされていた。
SNSで何度も目にしていた。
比較対象の商品が高く見えた。
その日は気分がよかった。
あるいは疲れていて、細かく比較する気力がなかった。
もし「限定」の文字がなかったら。
もし隣の商品が違う価格だったら。
もし翌日の朝に、もう一度商品を見ていたら。
同じものを買っていたでしょうか。
分かりません。
ここがおもしろいところです。
買ったのは間違いなく自分です。
誰かに無理やり買わされたわけではありません。
それでも、
「自分で決めた」ことと、「自分だけの意思で決めた」ことは同じではない。
僕が『行動経済学が最強の学問である』を読んで強く感じたのは、この違いでした。
本書は、行動経済学に存在するさまざまな理論を、一つの地図として捉え直してくれる本です。
人が非合理な意思決定をする背景を、
認知のクセ。
状況。
感情。
という大きな視点から見ていく。
僕たちは普段、
情報を集める。
考える。
比較する。
そして一番いいものを選ぶ。
そんなふうに、自分の意思決定を捉えています。
でも実際には、
思い込み。
選択肢の見せられ方。
比較対象。
周囲の人。
そのときの気分。
さまざまなものが判断へ入り込んでいる。
そして、もっと厄介なのは、
影響を受けている本人が、その影響を完全には自覚できないことです。
だからこの記事で伝えたいのは、
「人間にはバイアスがあるから注意しましょう」
という話ではありません。
もっと仕事で使える話です。
自分も間違える。
思い込む。
状況に流される。
感情にも影響される。
ならば、
決め方そのものをつくればいい。
僕は、
意思決定は、頭の良さではなく「仕組み」で強くする。
ことが大切だと考えています。
今日は『行動経済学が最強の学問である』を材料に、仕事でも日常でも使える「判断の仕組み」について考えていきます。
「自分で決めた」は、本当に自分だけで決めたのか
僕たちは、自分が選んだ理由を説明できます。
「安かったから」
「性能がよかったから」
「将来性を感じたから」
「この会社が一番いいと思ったから」
理由を言葉にできると、
自分はきちんと考えたうえで決めたように感じます。
でも行動経済学を知ると、この感覚を少し疑いたくなります。
たとえば先ほどの衝動買い。
「欲しかったから買った」
これは事実でしょう。
でも、
その「欲しい」は何から生まれたのでしょうか。
商品の価格。
「残りわずか」という表示。
周囲のレビュー。
SNSで見た回数。
その日の疲労。
気分。
比較した順番。
こうしたものが少しずつ積み重なって、
「欲しい」
という感覚そのものを強くしていた可能性があります。
ここで大切なのは、
「企業に操られている」
と極端に考えることではありません。
自分で考えている人間であっても、
判断が生まれた条件から完全には自由ではない。
ということです。
これは仕事でも同じです。
最初に聞いた数字が基準になる。
最初に見た案を中心に、その後の案を見る。
自分が支持した仮説に合う情報ばかり目につく。
すでに時間をかけた企画を捨てづらくなる。
役職の高い人が先に意見を言えば、その後の議論に影響するかもしれない。
自分では、
「比較した」
「ちゃんと考えた」
と思っている。
でも、
考えたことと、偏りなく考えられたことは別です。
だから見るべきなのは、
「何を選んだか」
だけではありません。
何が自分に、そう選ばせたのか。
ここまで見る。
それだけでも、意思決定への向き合い方はかなり変わります。
『行動経済学が最強の学問である』は、判断を「認知・状況・感情」で見る
行動経済学には、たくさんの言葉があります。
アンカリング。
損失回避。
プロスペクト理論。
システム1とシステム2。
選択オーバーロード。
選択アーキテクチャー。
アフェクト。
これらを一つずつ覚えていくと、
「結局、何を仕事で使えばいいんだ?」
となりやすい。
『行動経済学が最強の学問である』のおもしろさは、
個別理論の暗記ではなく、
人がなぜ非合理な意思決定をするのかを、大きな構造で見せてくれること
だと思っています。
認知のクセ
まず、認知のクセ。
僕たちは、すべての情報を毎回ゼロから公平に評価しているわけではありません。
たとえばアンカリング。
最初に見た数字や情報が、その後の判断の基準になりやすい。
仕事でも同じです。
最初に、
「予算はこのくらいです」
と聞けば、
その金額を起点に考えやすくなる。
最初にA案を見れば、
B案もC案もA案との差で見る。
本人は比較しているつもりでも、
比較のスタート地点自体が判断へ影響している。
厄介なのは、
判断している本人が、
「自分はアンカリングに影響されている」
と感じるとは限らないことです。
むしろ、
「普通に比較した結果、これが一番いい」
と感じる。
だからこそ、自分の判断を一段上から見る必要があります。
状況
二つ目が、状況です。
これは今回の記事で特に重要です。
「本人が何を望んでいるか」
だけではなく、
どんな選択肢を、どんな状態で与えられているか
によっても選択は変わります。
選択肢が二つなのか。
三つなのか。
どれが最初に見えるのか。
どれが標準に見えるのか。
比較しやすいのか。
選択肢が多すぎないのか。
状況が変われば、
同じ人でも違う選択をする可能性があります。
選択肢は多ければ多いほど親切。
そう思いがちです。
でも、選択肢が増えすぎれば、
比較に時間がかかる。
判断基準がぼやける。
「もう考えるのが面倒だ」
となることもある。
だから重要なのは、
選択肢をただ増やすことではありません。
判断できる形に整理すること。
これは後で紹介する、
「複数案を持つ」
という僕の仕事の進め方にもつながります。
感情
三つ目が、感情です。
仕事になると、
「感情を入れず、冷静に考えよう」
と言いたくなります。
でも、
感情を完全に消して判断することは難しい。
焦っている。
疲れている。
少し不安。
妙に気分がいい。
失敗した直後。
逆に、うまくいっていて自信が強くなっている。
こうした状態でも、選択は変わるかもしれません。
だから僕は、
「感情を排除しよう」
と考えるより、
今の感情が違っていても、自分は同じ判断をするだろうか。
と確認する方が現実的だと思っています。
僕にとって本書の、
認知・状況・感情
は、行動経済学を覚えるための分類ではありません。
判断を振り返るための三つのレンズ
です。
会議で意見がまとまった。
営業方針を決めた。
転職を考えた。
大きな買い物をした。
そんなとき、
「ちゃんと考えたか」
だけでは足りない。
認知に引っ張られていなかったか。
状況によって選ばされていなかったか。
感情が強く入り込んでいなかったか。
そこまで見る。
だから僕は、
この本の価値は、
「行動経済学の理論をたくさん知れること」
だけではないと思っています。
人間の意思決定を見る地図を持てること。
そこが強い。
怖いのは、判断が歪むことではなく「歪んでいると気づけない」こと
人間には思い込みがある。
感情にも流される。
そこまでは、何となく分かっています。
でも、本当に怖いのは、
判断が歪むことそのものではありません。
判断している本人が、その瞬間には自分を合理的だと思っていること。
です。
「十分比較した」
「データも見た」
「ちゃんと考えた」
「自分なりに納得した」
そう思っている状態では、
自分の判断を疑う理由がありません。
だから修正もしない。
ここで今回の記事の問いに戻ります。
あなたは、自分が「なぜその選択をしたのか」を本当に分かっていますか?
僕自身、毎回YESと言える自信はありません。
むしろ仕事をしていると、
「考えた量」
と
「判断の質」
は、必ずしも比例しないと感じます。
このことを強く感じた経験が、食品メーカーで営業をしていた1年目にありました。
僕は当時、
自分なりに考えた渾身の企画を持っていきました。
自分の中では、
「これならいい」
と思っていた。
だから、その一案を中心に提案しました。
でも相手には、
すでにやりたいことがありました。
さらに、
相手が求めている企画の規模にも、
僕の提案はうまくアジャストできていなかった。
結果として、企画は刺さりませんでした。
振り返れば、
僕は相手の意思決定を見ていたというより、
自分が良いと思った企画を、どう説明するか
を考えていたのだと思います。
自分では考えていた。
むしろ一生懸命考えていました。
でも、
考える方向そのものがズレていた。
この経験から、
「一本の案を磨けばいい」
とは思わなくなりました。
一つの答えを深く考えるだけではなく、
複数の可能性を持つ。
相手の反応を早く見る。
自分以外の視点を入れる。
今の僕が、
一人で100点になるまで考えず、
7割くらいで壁打ちするのも、
この考え方につながっています。
「もっとよく考える」だけでは、意思決定は強くならない
判断を間違えると、
「もっと考えればよかった」
と思います。
もちろん、情報不足なら調べるべきです。
でも問題は、
同じ前提のまま、長く考えているだけ
の場合です。
最初から、
「A案がいい」
と思っている。
その状態で何時間も調べる。
すると、
A案を支持する情報ばかり集めてしまうかもしれない。
自分では深く考えたつもりでも、
最初の仮説を補強しただけかもしれません。
食品メーカー1年目の企画も、
今振り返れば、
「どうすればこの企画をもっと良くできるか」
という問いの中にいました。
でも、本当に必要だった問いは、
「そもそも相手は何をやりたいのか」
「どの規模なら実行できるのか」
「この一案以外に何があるのか」
だった。
つまり、
答えではなく、問いの枠そのものが違っていた。
一人で長く考えることの怖さはここにあります。
頭の中の枠が違っていても、
本人には見えにくい。
だから僕は、
7割くらいまで考えたら人に見せます。
詳しい人。
そのテーマを違う角度で見られる人。
AI。
ケースによって相手は変わります。
「ここ、そもそも前提違わない?」
「なぜこの二択なの?」
「目的から考えると、別の案じゃない?」
そんな別の視点が一つ入るだけで、
自分が無意識に置いていた前提が見えることがあります。
ただし、
ここで勘違いしたくないことがあります。
他人も間違えます。
専門家も間違える。
AIも間違えます。
だから、
「人に聞けば正解になる」
という話ではありません。
僕が壁打ちで欲しいのは、
答えではなく、自分の前提を揺らすこと。
です。
判断そのものを他人へ渡すのではない。
自分の認知を一度外から見て、
最後は自分で決める。
ここは分けています。
意思決定は「頭の良さ」ではなく、判断の仕組みで強くする
ここまで考えると、
行動経済学の知識を持っているだけでは足りません。
「確証バイアスを知っています」
と言っても、
自分が確証バイアスに陥らなくなるわけではない。
「感情が判断へ影響する」
と知っても、
感情が消えるわけではない。
だから、
知識を手順へ変える。
ここから紹介する5ステップは、本書にそのまま書かれている方法ではありません。
本書の「認知・状況・感情」という視点と、僕自身が仕事で実践してきた判断の進め方を組み合わせて整理したものです。
僕は重要な判断ほど、
大きく5つの流れで考えています。
1. 目的を決める
まず、
何のための判断なのか。
ここを置きます。
たとえば仕事なら、
売上最大化なのか。
スピードなのか。
リスク低減なのか。
将来性なのか。
全部大事です。
でも全部を同時に最大化できるとは限りません。
目的が曖昧だと、
判断途中で「何が良い案なのか」まで変わります。
だから、
最初に目的を置く。
2. 判断軸を先に置く
次に、
何を満たせば良い選択とするのか。
を決めます。
ここも重要です。
選択肢を見てから判断基準をつくると、
自分の好きな案に都合のいい基準を後付けしやすい。
A案が好きだから、
「今回はスピードが重要です」
と言う。
B案が好きなら、
「今回は安全性を優先すべきです」
と言う。
これでは、
判断軸で案を選んでいるようで、
実際には案に合わせて判断軸を変えています。
だから、
目的。
その次に判断軸。
順番を守る。
3. 複数案と外部視点で、自分の認知を揺らす
僕は、
一本足は負ける
と考えています。
食品メーカー1年目の経験でも、
渾身の一案へ寄りすぎました。
今なら、
違う規模。
違う進め方。
別の仮説。
複数の方向を持って相手を見る。
コンサル営業でも、
一案に固執せず、
複数の仮説やプランを持って考えます。
ただし、
ここで大切なのは、
複数案を持つことと、無制限に案を増やすことは違う
という点です。
選択肢が増えすぎれば、
かえって比較しづらくなる。
だから目的は、
案の数を競うことではありません。
最初に思いついた案だけを正解扱いしないこと。
です。
そして、
人やAIに壁打ちする。
ここでも多数決は取りません。
自分の答えを他人の答えへ置き換えるのではなく、
自分が置いていた前提を表に出す。
これが目的です。
4. 最後は自分で決める
人の知恵は借ります。
AIも使います。
専門家にも聞きます。
でも、
最後の意思決定まで外へ渡してはいけない。
僕は、
助言をもらうことと、判断を任せることは別
だと考えています。
目的。
判断軸。
複数案。
他者の視点。
リスク。
材料を揃えたら、
最後は自分で決める。
他人から、
「これが正解です」
と言われたから決めるのではありません。
最初に決めた目的と判断軸へ戻る。
そのうえで、
自分が責任を持てる答えを選ぶ。
5. 振り返って、決め方を更新する
そして行動する。
結果を見る。
何が当たったか。
何を見落としたか。
判断軸は正しかったか。
感情に引っ張られていなかったか。
そもそも目的設定が違っていなかったか。
そこまで振り返る。
そうすると、
次回は単に知識が増えるだけではありません。
意思決定の仕組みそのものが改善されます。
僕は、
これが意思決定力だと思っています。
一発で正解を当てる力ではありません。
間違える前提で、決め方を修正し続ける力。
です。

目的を決める
↓
判断軸を置く
↓
複数案・外部視点で認知を揺らす
↓
自分で決める
↓
振り返る
そしてその途中で、
認知・状況・感情
を確認する。
『LIAR GAME』を見ると、意思決定は「その人の中」だけでは起きていないと分かる
この話を直感的に理解するとき、
『LIAR GAME』はかなり分かりやすい作品です。
この作品では、
人間の選択は単純な性格だけでは決まりません。
ゲームのルール。
お金。
情報差。
時間制限。
相手の行動。
裏切られる可能性。
恐怖。
欲。
信頼。
焦り。
いろいろなものが重なって、
人は判断します。
同じ人物でも、
置かれるゲームが変われば行動も変わる。
ここが重要です。
秋山深一が見ているのも、
単に、
「この人は次に何をするか」
だけではありません。
このルール、この情報、この損得の中なら、人はどう判断しやすいか。
人を見るだけでなく、
ゲームの構造を見る。
もちろん、
『LIAR GAME』はフィクションです。
作品の心理戦そのものを、行動経済学だと言いたいわけでもありません。
この作品から借りたいのは、
一つの見方だけです。
人の行動を理解したければ、人だけを見ていてはいけない。
仕事でも同じです。
「あの人は慎重だから」
「あの人は決断が遅いから」
と人物だけで説明すると、
その人が置かれている状況を見落とします。
判断材料が足りないのかもしれない。
リスクだけが大きく見えているのかもしれない。
比較軸がないのかもしれない。
だから、
人を見る前に、意思決定が起きている構造を見る。
この視点が大切です。
営業でも、顧客の「言葉」だけでなく意思決定の構造を見る
これは営業でも使えます。
僕は営業について、
「お客様の意思決定をプロデュースする仕事」
だと考えています。
ここでいうプロデュースは、
心理テクニックで相手を操ることではありません。
むしろ、
顧客が自分で判断できる状態をつくること。
必要な情報を揃える。
比較可能にする。
リスクも伝える。
選択肢を整理する。
判断基準を確認する。
そうやって、
意思決定を前に進める。
食品メーカー1年目の僕は、
良い企画をつくることへ意識が寄っていました。
でも相手には、
相手がやりたいことがある。
求めている規模がある。
実行できる条件がある。
そこを見ずに、
自分の企画だけを磨いても、
相手は決められません。
これは、
「相手の言うことを全部聞けばいい」
という意味でもありません。
顧客が口にする理由と、
実際に意思決定を止めている理由が、
必ず同じとは限らない。
だから、
顧客の言葉を尊重しながら、
その言葉だけで意思決定の原因を決めつけない。
たとえば一般的な営業場面で、
「価格が高い」
と言われた。
本当に価格なのか。
比較軸がないのか。
価値を説明しづらいのか。
リスクが大きく見えているのか。
今決める理由がないのか。
可能性はいくつもあります。
だから僕は、
営業で大切なのは、
相手の答えを変えることではなく、相手が答えを出せる状態をつくること。
だと思っています。

説得する営業
顧客の発言
↓
説明を増やす
↓
提案内容を修正する
意思決定をプロデュースする営業
顧客の発言
↓
判断を止めている条件を見る
↓
判断軸・リスク・比較材料を整理する
↓
顧客自身が決められる状態をつくる
行動経済学は、
「どうすれば相手を思い通りに動かせるか」
を考えるためだけのものではありません。
僕はむしろ、
人がどう決めているのかを丁寧に見るためのレンズ
として使う方が価値があると思っています。
判断を強くするなら、明日から変えるのは「考え方」ではなく手順
ここまで読んで、
「バイアスに気をつけよう」
で終わると、たぶん何も変わりません。
思い込みに注意する。
感情に気をつける。
言うのは簡単です。
でも、
重要な判断の瞬間に思い出せなければ意味がない。
だから、
手順にします。
先ほど紹介した5ステップは、
意思決定全体の流れ
です。
そして、その5ステップを実行するときに使うのが、
次の6問です。
1. 何のための判断か?
目的は何か。
今考えている案は、
本当にその目的につながっているか。
2. 判断軸は何か?
何を満たせば、
「この案でいい」
と言えるのか。
選択肢を見る前に、
できるだけ基準を置く。
3. 別案はあるか?
最初に思いついた案を、
無意識に正解扱いしていないか。
別のやり方。
違う規模。
別のタイミング。
本当に選択肢はそれだけか。
4. 違う視点を入れたか?
賛成意見だけではなく、
反対意見。
違う立場。
別の専門性。
一度は外から見たか。
ただし、
誰かの意見をそのまま正解にはしない。
目的は、
自分の前提を見つけることです。
5. 何が自分にそう選ばせているか?
ここで本書の三つのレンズを使います。
認知。
最初の数字や思い込みに引っ張られていないか。
状況。
選択肢や周囲の環境が違っていても、同じ判断をするか。
感情。
焦りや高揚がなかったとしても、同じ判断をするか。
全部を完璧に分析する必要はありません。
一度問いを入れるだけでも、
判断を少し外から見られます。
6. 何が揃ったら決めるか?
最後はこれです。
情報は、
集めようと思えばいくらでも集められます。
人にも、
何人でも相談できます。
でも、
100%確信できる瞬間を待っていたら、
決断できなくなる。
だから、
何が揃ったら決めるのかを先に決める。
目的。
判断軸。
複数案。
外部視点。
リスク。
必要な材料が揃ったら、
最後は決める。
動く。
そして振り返る。

- 何のための判断か?
- 判断軸は何か?
- 別案はあるか?
- 違う視点を入れたか?
- 何が自分にそう選ばせているか?
- 何が揃ったら決めるか?
5ステップが、
意思決定の全体設計。
この6問は、
その設計を実行するチェックリスト。
覚えるものが二つあるわけではありません。
5ステップを動かすために、
6問を使う。
それだけです。
考え抜くより先に、どう考えるかを決めておく。
「正しく決められる人」より、「自分も間違える」と知っている人が強い
『行動経済学が最強の学問である』を読むと、
人間の意思決定が、
認知。
状況。
感情。
いろいろなものから影響されていることが見えてきます。
僕がこの本から持ち帰りたいのは、
バイアスの名前をたくさん覚えることではありません。
「自分が合理的に考えた」という感覚も、信用しすぎない。
という姿勢です。
だから、
目的を決める。
判断軸を置く。
一案に固執しない。
壁打ちする。
違う視点を入れる。
人の知恵も借りる。
それでも最後は、自分で決める。
そして結果を振り返る。
自分は間違えない。
そう信じるより、
自分も間違えるからこそ、間違いにくい決め方を持つ。
その方が強い。
食品メーカー1年目の僕は、
自分が良いと思った企画を磨きました。
今なら、
企画そのものを見る前に、
目的を見る。
相手を見る。
判断軸を見る。
別案を持つ。
そして早い段階で、
自分以外の視点を入れる。
本を読んだから突然、
正しい判断ができる人間になるわけではありません。
でも、
判断を見る目は変えられる。
次に大きな判断をするとき、
「どちらが正しいか」
を考える前に、
一度だけ問いかけてみてください。
「自分は今、何に影響されてこの案を選ぼうとしている?」
意思決定は、頭の良さではなく「仕組み」で強くする。
何を選ぶかを考える前に、何が自分にそう選ばせているかを見る。



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