ビジネス/スキル

ゴールは揃える。やり方は任せる。──『アマゾンのように考える』から学んだ強いチームのつくり方

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強いチームをつくるには、全員を細かく管理する必要があるのでしょうか。『アマゾンのように考える』のオーナーシップ、自律型チーム、失敗を学習へ変える思想から、「ゴールは揃える。やり方は任せる」というチームづくりを、コンサル営業の実体験とともに考えます。

みなさんこんにちは!サラリーマンの大樹です!

強いチームをつくるには、何が必要でしょうか。

優秀なリーダー。

細かな役割分担。

分かりやすい指示。

綿密な計画。

もちろん、どれも大切です。

でも僕は、仕事をしていて一つ疑問に思うことがあります。

リーダーが正しいやり方を細かく教えるほど、本当にチームは強くなるのでしょうか。

仕事では、つい「やり方」まで揃えたくなります。

この資料はこう作る。

この順番で顧客に説明する。

このタイミングで上司に確認する。

ここまでできたら、次へ進む。

確かに、そのほうが安心です。

失敗も減るかもしれません。

でも、やり方まで全部決められた人は、何を考えればいいのでしょう。

言われた通りにやることが仕事になってしまいます。

僕自身、仕事ではかなりスピードを重視しています。

最初から100点の正解を出そうとはしません。

むしろ、

80〜90点で一度動き、相手の反応を見ながら高速でPDCAを回す。

営業なら、社内で延々と考え続けるより、顧客と会う回数を増やします。

案件によっては、1週間で5回会ってクロージングするくらいのスピードで動くこともあります。

僕の感覚では、最初から正解を出そうとすると全部が遅くなるからです。

そんな僕が以前読んで、今でも印象に残っている本があります。

ジョン・ロスマン著『アマゾンのように考える』です。

この本には、Amazonを支えるさまざまな仕事の考え方が紹介されています。

その中でも僕の記憶に残っていたのが、

「小さく始める」

「失敗を学習コストとして考える」

「自律型チーム」

「オーナーシップ」

という考え方でした。

改めて考えてみると、これらはバラバラではありません。

全部、ある一つの考え方につながっています。

揃えるべきなのは、やり方ではない。目指す場所だ。

今回は『アマゾンのように考える』をヒントに、

強いチームは、どこまで揃えて、どこから任せるべきなのか。

僕なりに考えてみたいと思います。


強いチームほど、全員を同じようには動かさない

「チームワークがいい」と聞くと、どんなチームを想像するでしょうか。

全員の息が合っている。

同じ方向を向いている。

連携が取れている。

確かにそうです。

でも、ここには一つ混同しやすいものがあります。

「同じ方向を向くこと」と「同じやり方で動くこと」は、まったく違います。

たとえば営業チームなら、売上目標や顧客に提供したい価値は共有する必要があります。

一方で、全員がまったく同じ営業スタイルである必要はありません。

人によって強みは違います。

関係構築が得意な人もいる。

分析が得意な人もいる。

スピードで勝負する人もいる。

緻密な提案で信頼を得る人もいる。

それなのに、強い人のやり方をそのまま全員にコピーしようとすると、個人が判断する余地がなくなっていきます。

僕はチームで仕事をするとき、方向性とゴールは合わせるべきだと思っています。

ここは曖昧にしてはいけない。

何を目指しているのか分からないのに、

「自分で考えて動いて」

と言われても困ります。

一方で、ゴールを共有したあとまで、リーダーが全部決める必要があるのでしょうか。

僕はそうは思いません。

「ここへ行こう」は揃える。
「どうやって行くか」は、それぞれが考える。

この状態のほうが、チームは強くなると思っています。

なぜなら、メンバー一人ひとりが仕事の当事者になるからです。

ここで今回の記事の問いが生まれます。

強いチームは、どこまで揃えて、どこから任せるべきなのでしょうか。

指示が増えるほど、チームから「考える人」が減っていく

細かく指示することにはメリットがあります。

間違いを防げる。

品質を揃えられる。

経験の浅い人でも動きやすい。

だから、指示そのものが悪いわけではありません。

僕も、方向性とゴールは合わせます。

何でも自由にやればいいとは考えていません。

問題は、

リーダーが「正解を出す人」、メンバーが「正解を実行する人」と固定されてしまうことです。

何か起きるたびに、

「どうすればいいですか?」

と聞く。

上司が答える。

その通りに動く。

また問題が起きる。

また聞く。

短期的には、これでも仕事は進みます。

むしろ、優秀な上司ほど速く答えを出してくれるでしょう。

でも長期的に見ると、別の問題が起きます。

メンバーが自分で判断する機会を失っていくことです。

判断は、筋トレに少し似ています。

使わなければ鍛えられません。

仕事でも、

「この状況なら何を優先するべきか」

「顧客は何を求めているのか」

「次に何を試すべきか」

と自分で考えるから、少しずつ判断力が上がっていきます。

答えがいつも上から降ってくるなら、その必要がありません。

だから僕は、

優秀な上司が答えを出し続けるほど、上司がいないと動けないチームになってしまう可能性がある

と思っています。

ここで考えたいのは、管理するか、管理しないかではありません。

何を管理するのか。

方法まで管理するのか。

それとも、目指すゴールを管理するのか。

この違いが、チームの自律性を大きく左右するのだと思います。

Amazonが求めるのは、「指示を正しくこなす人」ではない

この問題を考えたとき、僕が思い出したのが『アマゾンのように考える』でした。

この本には、Amazon独特の仕事の考え方が数多く登場します。

その一つが、オーナーシップです。

簡単に言えば、

「これは自分の仕事ではありません」

で終わらせない。

会社や顧客にとって必要なことを、自分の問題として考える姿勢です。

そしてAmazonでは、小さな自律型チームという考え方も重視されてきました。

組織が大きくなるほど、普通は意思決定が遅くなります。

担当者が判断する。

上司へ確認する。

さらに上へ確認する。

関係部署と調整する。

ようやく決まる。

会社が巨大になればなるほど、この問題は大きくなります。

だからこそ、判断をできるだけ現場に近づける。

小さなチームに責任を持たせる。

そして、自分たちで考えて動ける状態をつくる。

ここで大事なのは、

「自由にしてください」という話ではないことです。

責任を持たせるから、判断を任せる。

判断を任せるから、考える必要が生まれる。

考えるから、結果から学べる。

つまり、オーナーシップと自律はセットです。

僕がこの考え方で面白いと思うのは、個人の能力だけに依存していないところです。

もちろんAmazonも、高い能力を持つ人材を求めています。

でも、それだけでは巨大な組織を速く動かし続けることはできません。

一人ひとりが、

自分で判断し、

試し、

結果を見て、

修正する。

そういう行動が起こる状態をつくる。

Amazonの仕事術を50個覚える必要はありません。

僕が自分の仕事へ持ち帰りたいのは、もっとシンプルです。

強いチームをつくりたいなら、答えを配るのではなく、判断できる人を増やす。

そのためには、任せる必要があります。


「任せる」と「放任する」は、まったく違う

ここまで読むと、

「じゃあ、全部メンバーに好きにやらせればいいの?」

と思うかもしれません。

僕は、それも違うと思っています。

何も決めずに、

「自由にやってください」

と言うだけなら、自律ではありません。

ただの放任です。

僕がチームで仕事をするときに揃えるべきだと思うのは、大きく二つです。

ゴール。

そして、

判断するときの方向性。

どこを目指しているのか。

何を優先するのか。

ここがバラバラなら、いくら優秀な人が集まってもチームにはなりません。

一方で、そこまで共有できたなら、

具体的なやり方には余白を残す。

考え方は、とてもシンプルです。

ゴールは揃える。
やり方は任せる。

たとえば、

「この資料をこのフォーマットで作って、3ページ目にはこのグラフを入れて」

と全部指示するのと、

「今回の目的は、顧客がA案とB案を比較して次の判断をできる状態にすること。特にコストと実現性を重視したい。見せ方は任せる」

では、仕事の意味が違います。

後者では、担当者が考えなければいけません。

何を載せるべきか。

何を削るべきか。

どの順番なら伝わるか。

自分で判断する。

当然、最初から完璧にはできないでしょう。

でも、その経験こそが次の判断につながります。

ここで思い出す映画があります。

『アポロ13』です。

宇宙船で事故が起きたあと、チームにとって最優先のゴールは明確になります。

乗組員を地球へ生還させる。

このゴールに向かって、宇宙飛行士、管制官、技術者たちが、それぞれの専門領域で問題を解いていきます。

全員が同じ仕事をしているわけではありません。

同じ方法で考えているわけでもありません。

でも、目指す場所は同じです。

だから、それぞれが自分の持ち場で判断できる。

今回の記事で言いたい「強いチーム」も、これに近いと思っています。

全員を同じように動かすのではない。
全員が同じゴールを見ながら、自分の頭で動ける状態をつくる。

それが自律です。

100点を待つチームより、80〜90点で動くチームが強い

ここからは、僕自身の仕事の話をしたいと思います。

僕は仕事で、最初から100点をつくろうとはしません。

感覚としては、

80〜90点で一度動く。

そして、そこから高速でPDCAを回します。

これは「完成度は80点でいい」という意味ではありません。

最終的な成果の質を下げたいわけでもありません。

むしろ、最終的な精度を上げるために、早く外へ出します。

特に営業では、この考え方を強く持っています。

営業には、社内でいくら考えても分からないことがたくさんあります。

顧客が本当に気にしているポイント。

こちらの提案に対する温度感。

何を重要だと思っているのか。

どこに違和感を持っているのか。

どの論点をもう一段深掘りする必要があるのか。

それを社内だけで100点まで考えようとすると、時間がかかります。

しかも、その100点はあくまで「こちらが考えた100点」です。

顧客にとっての100点とは限りません。

だから僕は、会う頻度をとにかく増やすことがあります。

一度会う。

反応を見る。

次に会う。

また反応を見る。

必要なら修正する。

そして、また会う。

案件によっては、1週間で5回会ってクロージングするくらいのスピードで進めることもあります。

ここで大切なのは「営業は週5回会えばいい」という話ではありません。

回数そのものをルールにしたいわけでもありません。

僕が重視しているのは、

相手と接する回数を増やすことで、学習する回数を増やすことです。

一回目で完璧な提案を当てようとするより、

一回目で分かったことを二回目へ持っていく。

二回目で見つかった論点を次で修正する。

その繰り返しで、顧客と一緒に正解へ近づいていく。

僕はこのほうが速いと思っています。

最初から正解を出そうとすると、全部が遅くなる。

だから、まず動く。

ただし、何も考えずに動くわけではありません。

80〜90点までは考える。

方向性も確認する。

そのうえで、残りの10〜20点を会議室の中だけで埋めようとしない。

現実から答えをもらいに行く。

この感覚です。

この経験から僕は、

仕事のスピードとは、単に作業を速く終わらせることではない

と考えるようになりました。

大切なのは、

仮説を出す。

相手にぶつける。

反応を得る。

修正する。

この一周を速くすることです。

そして、改めて『アマゾンのように考える』を振り返ると、僕が印象に残っていた「小さく始める」という考え方も、この仕事観とつながります。

大きく賭けて、最後に正解か不正解かを知るのではない。

小さく試す。

反応を見る。

学ぶ。

また試す。

最初から100点を知っていることが強さではない。

100点へ近づくための学習を、何度回せるか。

僕はそこに強さがあると思っています。

失敗は「減らすもの」ではなく、学習コストとして回収する

『アマゾンのように考える』を昔読んだとき、僕の中に残った考え方の一つが、

失敗を学習コストとして捉えること

でした。

失敗すると、普通はマイナスに見えます。

時間を使った。

お金を使った。

提案が通らなかった。

期待した成果が出なかった。

もちろん、本当に損失だけで終わる失敗もあります。

だから、

「どんどん失敗しよう」

と言いたいわけではありません。

僕が大切だと思うのは、

失敗から何を回収したか。

です。

うまくいかなかった。

そこで終われば、ただの失敗です。

でも、

なぜダメだったのか。

何が想定と違ったのか。

次は何を変えるのか。

そこまで考えれば、失敗から情報が残ります。

その情報を次の判断に使えるなら、失敗は学習コストへ変わります。

逆に、何も学ばずに同じ失敗を繰り返しているなら、それは学習コストとは呼べません。

ただのコストです。

だからこそ、「小さく始める」が重要になります。

いきなり大きな挑戦をして、

「失敗も勉強です」

では済みません。

失敗しても戻れるサイズで試す。

結果を見る。

学ぶ。

次へ進む。

僕がAmazonの考え方から持ち帰りたいのは、

失敗を恐れない精神力ではなく、失敗から学べる仕事の進め方をつくることです。

そして、ここでも自律型チームがつながってきます。

自分で考えて決めた人は、結果が予想と違ったときに、

「なぜだろう」

と考えます。

自分の仮説があったからです。

一方で、

「上司から言われたのでやりました」

だけならどうでしょう。

失敗しても、

「言われた通りにやった」

で終わることができます。

ここが大きい。

オーナーシップとは、成功したときに成果を自分のものにすることだけではない。失敗したときも、自分の判断から学ぶことなのだと思います。

だから、強いチームには任せることが必要です。

任されるから考える。

考えるから仮説が生まれる。

仮説があるから、結果から学べる。

学ぶから、次の判断が良くなる。

この循環が回り始めます。


強いチームの正体は、「正解率」ではなく学習速度にある

ここまで考えてくると、僕が考える強いチームの姿が見えてきます。

強いチームとは、

最初から正解率が高いチームではありません。

もちろん、経験や知識は重要です。

最初の仮説の精度が高いに越したことはありません。

でも、仕事には正解が分からないことがたくさんあります。

新しい顧客。

新しい市場。

新しいプロジェクト。

新しいサービス。

やってみなければ分からないことがあります。

そこで、

「もっと情報を集めよう」

「もう少し考えよう」

「上司の判断を待とう」

と止まり続ければ、間違いは減るかもしれません。

でも同時に、学習する回数も減ります。

一方で、

ゴールを共有する。

各自が考える。

小さく試す。

結果を見る。

失敗したら学ぶ。

そして修正する。

この循環を高速で回せるチームは、最初の答えが多少間違っていても、少しずつ正解へ近づいていきます。

僕自身が80〜90点で動くのも、このためです。

雑に早く終わらせたいわけではありません。

最初の90点を100点にするために時間を使うより、現実からフィードバックをもらったほうが、次の95点へ近づけることがある。

だから、

仕事の速さ=作業時間の短さ

ではありません。

僕が大切だと思う速さは、

判断 → 実行 → 学習 → 修正

この一周の速さです。

そして、この速度をチーム全体で上げるためには、一人の優秀なリーダーだけが高速で考えていても足りません。

メンバー一人ひとりが判断できる必要があります。

だから、オーナーシップが必要になる。

だから、やり方を任せる必要がある。

だから、失敗を学習へ変える文化が必要になる。

ここで『アマゾンのように考える』に登場する考え方が一本につながります。

強いチームとは、正解を知っているチームではない。

正解へ近づくのが速いチームです。

ただし、速ければ何でもいいわけではありません。

全員が違う方向へ全力疾走したら、チームは崩れます。

だから最初に必要なのが、共通のゴールです。

目指す場所を揃える。

そこから先は、それぞれが考える。

試す。

学ぶ。

また考える。

ゴールは揃える。やり方は任せる。

この二つがセットだから、チームの学習速度を上げられるのだと思います。

明日から「答え」ではなく「ゴール」を渡してみる

ここまで読んで、

「でも、自分は経営者でも管理職でもない」

と思った人もいるかもしれません。

大丈夫です。

Amazonのような組織制度をつくる必要はありません。

明日から一つだけ試せます。

誰かと仕事をするとき、

答えを渡す前に、ゴールを渡してみてください。

たとえば仕事をお願いするとき。

いつもなら、

「この順番で資料を作って」

「このデータを使って」

「このフォーマットに入れて」

と方法まで伝えているかもしれません。

そこを少し変えます。

まず、

①何を達成したいのか。

次に、

②判断するときに何を優先してほしいのか。

そこまで伝えたら、

③どうやるかは任せる。

この三つです。

そして、相手が困ったとき。

すぐに、

「こうすればいいよ」

と答えを渡さない。

一度、

「あなたはどうする?」

と聞いてみる。

もちろん、経験が浅い人にはサポートが必要です。

致命的な失敗が起こりそうなら止める必要もあります。

任せることと、見捨てることは違います。

そして、任せた以上は結果を放置するのでもありません。

試した結果を一緒に見る。

何がうまくいったのか。

何が想定と違ったのか。

次はどうするのか。

ここまで戻ってくることで、「任せる」が学習につながります。

毎回答えを渡していたら、自分で答えをつくる経験はできません。

だから、リーダーの仕事は、

自分の正解をコピーすることではない。

メンバーが自分で考えられる土台をつくること。

そのために、

ゴールを揃える。

判断基準を共有する。

そして、方法には余白を残す。

僕はこれが、強いチームをつくる小さな一歩だと思っています。


『アマゾンのように考える』には、Amazonを支える数多くの考え方が紹介されています。

全部をそのまま自分の会社へ持ち込む必要はありません。

僕が今回、改めて仕事へ持ち帰りたいと思ったのは、

オーナーシップ。

自律型チーム。

小さく始めること。

失敗を学習コストへ変えること。

これらは別々の仕事術ではなく、一つの循環をつくっています。

ゴールを共有する。

やり方を任せる。

自分で判断する。

80〜90点でも動く。

現実から反応をもらう。

失敗したら学ぶ。

そして、また判断する。

この循環をチームの一人ひとりが回せるようになる。

だから、チーム全体が強くなる。

全員が同じ方法で動く必要はありません。

むしろ、それぞれ違っていていい。

ただし、目指す場所だけは揃える。

揃えるべきなのは、やり方ではない。目指す場所だ。

もし今、

「自分が細かく指示しないと仕事が進まない」

と感じているなら。

次の仕事で、ほんの少しだけ方法を手放してみてください。

答えを教える代わりに、ゴールを伝える。

判断基準を共有する。

そして、

「あなたなら、どうする?」

と聞いてみる。

その人が出した答えが、自分のやり方と違っていても、すぐに修正しない。

ゴールから外れていないなら、一度試してもらう。

結果を見て、一緒に学ぶ。

そうやって判断する回数を増やしていく。

その小さな余白から、自分で考える人が育ち始めます。

ゴールは揃える。やり方は任せる。

それが、『アマゾンのように考える』から僕が学んだ、強いチームのつくり方です。

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