ビジネス/スキル

全部を頑張るから、成果が出ない。──『ザ・ゴール』から学んだ「ボトルネック」に集中する仕事術

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毎日忙しく働いているのに、なぜ成果が思うように伸びないのか。『ザ・ゴール』のTOC(制約理論)とボトルネックの考え方を、食品メーカーとコンサル営業を経験した僕自身の仕事、運動、学習に重ねて考えます。大切なのは努力を減らすことではありません。成果を止めている場所を見つけ、そこへ努力を集中することです。

みなさんこんにちは!サラリーマンの大樹です!

メールを返す。

会議に出る。

資料を作る。

頼まれた仕事を終わらせる。

新しいことも勉強する。

一日が終わる頃には、

「今日もかなり働いたな」

と思う。

そんな日はありませんか?

では、もう一つだけ質問させてください。

今日、一番重要な仕事は前に進みましたか?

ここで少し答えに詰まる人もいると思います。

仕事には、やるべきことがいくらでもあります。

僕自身もそうです。

仕事だけではありません。

読書もしたい。

新しいスキルも身につけたい。

運動もしたい。

やりたいことを並べていけば、時間はいくらあっても足りません。

だから僕たちは、ついこう考えます。

「もっと頑張ろう」

でも、本当に必要なのは努力を増やすことなのでしょうか。

誤解してほしくないのですが、僕は仕事量を減らして楽をしたいわけではありません。

仕事量が多くてもいい。

必要なところなら、思い切り頑張ればいい。

減らしたいのは、

成果につながらない仕事です。

僕がこの考え方を持つきっかけになった本の一つが、エリヤフ・ゴールドラットの『ザ・ゴール』でした。

この本を読んだのは、食品メーカーで営業をしていた頃です。

『ザ・ゴール』の舞台も製造業です。

だから、工場の一部分だけを効率化しても全体が良くなるとは限らない、という考え方は強く印象に残りました。

その中心にあるのが、

ボトルネック

です。

そして面白いのは、その考え方が今でも残っていることです。

現在、僕はコンサルティングファームで営業をしています。

製造業のお客様と向き合うときにも、

「何を改善できるだろう?」

だけではなく、

「そもそも、今どこが全体を止めているんだろう?」

と考えます。

食品メーカー時代に読んだ一冊が、今の仕事を見る視点にもつながっている。

だから僕にとって『ザ・ゴール』は、単なる工場改善の本ではありません。

仕事でも。

運動でも。

学習でも。

成果が足りないと、僕たちはすぐに「もっとやる」を選びます。

でも、その前に考えたいことがあります。

この記事で伝えたいことは、一つです。

頑張る量を減らすのではない。頑張る場所を絞る。

全部を頑張る前に、

「今、成果を止めているものは何か?」

を探してみましょう。


『ザ・ゴール』は、経営危機に陥った工場の再建を通じて、「本当の生産性とは何か」を考えていく物語です。仕事の優先順位を見直したい人にも、一度読んでほしい一冊です。

全部をちゃんとやる人ほど、成果から遠ざかることがある

仕事には終わりがありません。

メールを全部返しても、また届く。

資料を完成させても、次の資料が必要になる。

一つ会議が終われば、次の会議が入る。

さらに今なら、AIも学びたい。

英語も勉強したい。

業界知識も増やしたい。

本も読みたい。

全部、大切に見えます。

だから真面目な人ほど、

「全部ちゃんとやろう」

と考えます。

僕自身も、この問題にぶつかります。

欲しいスキルが多すぎるんです。

やりたいことを全部並べれば、当然、時間が足りません。

ここで考えてみたい。

仕事が10個あったとして、その10個は本当に同じくらい成果へ影響するでしょうか。

例えば、案件が意思決定待ちで止まっているとします。

その間に資料をさらにきれいにする。

メール返信を少し速くする。

ファイルを完璧に整理する。

どれも仕事です。

やれば「仕事をした」という感覚もあります。

でも、案件そのものは動いていない。

僕たちは、

仕事を進めた量

を見てしまいがちです。

でも、本当に見るべきなのは、

成果がどれだけ進んだか。

この二つは同じではありません。

ここを混同すると、

忙しい。

成果が出ない。

「まだ努力が足りない」と思う。

さらに仕事を増やす。

という状態に入りやすくなります。

『ザ・ゴール』が面白いのは、この常識を根本から疑わせてくれるところです。

忙しいことと、生産的であることは違う。

では、生産的とは何なのでしょうか。

『ザ・ゴール』が問い直したのは、「生産性とは何か」だった

『ザ・ゴール』の主人公、アレックス・ロゴは工場長です。

彼が任されている工場は危機的な状況にあります。

納期は遅れる。

在庫はたまる。

経営状態も悪い。

でも、誰も働いていないわけではありません。

人は働いている。

設備も動いている。

効率化もしている。

それでも、工場全体では欲しい結果が出ない。

そこでアレックスに問われるのが、

「そもそも、ゴールは何なのか?」

という根本的な問いです。

ここが重要です。

ゴールが決まっていなければ、

「効率がいい」

という言葉にも意味がありません。

機械の稼働率が上がった。

一人あたりの処理量が増えた。

作業時間が短くなった。

それだけを見ると改善です。

でも、それによって企業全体のゴールへ近づいていなければ、部分的に効率が上がっただけかもしれない。

『ザ・ゴール』では、スループット・在庫・業務費用という指標を使って、工場を全体として捉え直していきます。

ただ、この記事で細かな定義を覚える必要はありません。

僕が重要だと思うのは、その奥にある考え方です。

一つひとつの工程が忙しく動いていることではなく、全体として価値が流れているかを見る。

僕が食品メーカーで働いていたからこそ、この考え方には強く共感しました。

製造業では、営業だけで商品が顧客まで届くわけではありません。

いくつもの仕事がつながって、最後の成果になります。

だから、

一部分だけを見ても、全体の成果は分からない。

この『ザ・ゴール』の考え方が腹落ちしました。

そして、全体を見るうえで重要になるのが「ボトルネック」です。

全体の成果は、「一番詰まっている場所」で決まる

『ザ・ゴール』を象徴するエピソードの一つが、ハイキングです。

子どもたちが隊列を組んで歩いています。

ところが、歩いているうちに列がどんどん伸びていく。

前の人が速く歩いても、集団全体として速く進めるわけではありません。

そこで注目されるのが、歩くペースの遅いハービーです。

これは、

「ハービーが悪い」

という話ではありません。

大切なのは、

集団全体の速度を決めている場所はどこなのか

ということです。

ハービーより前の人がさらに速く歩いても、隊列全体は速くならない。

工場も同じです。

ある工程だけ処理能力が低ければ、その前の工程をどれだけ高速化しても、そこで詰まります。

つまり、

部分的な改善と、全体の改善は同じではない。

ここが『ザ・ゴール』の強烈なところです。

そして、これは工場だけの話でしょうか。

僕たちの仕事にも、

「ハービー」

は存在します。

会議が長い。

資料作成が遅い。

AI活用が進んでいない。

情報共有が弱い。

意思決定が遅い。

問題はいくらでも見つかります。

でも、

問題がある場所と、今解くべき問題は同じではありません。

今、全体を止めているのが意思決定なら、資料作成を20%速くするより、意思決定が止まっている理由を解いた方が全体は動くかもしれない。

だから必要なのは、

問題をたくさん見つけることではありません。

成果を止めている問題を見つけることです。

あなたの仕事で今、一番流れを止めている「ハービー」は何でしょうか。



ハービーのエピソードをはじめ、『ザ・ゴール』の面白さは、TOCを教科書として覚えるのではなく、物語の中で主人公と一緒に「なぜ成果が出ないのか」を考えられるところにあります。

「もっと頑張る」が、仕事をさらに遅くすることがある

成果が足りない。

そんなとき、僕たちは「追加」を考えます。

営業なら、もっと顧客へ連絡する。

仕事が遅ければ、もっと速く処理する。

知識が足りなければ、もっと勉強する。

どれも間違いではありません。

問題は、

それが本当に今のボトルネックなのか

です。

例えば、資料作成に2時間かかっている。

頑張って効率化して、1時間になった。

1時間短縮です。

でも、その資料が提出されたあと、意思決定に5日かかっていたらどうでしょう。

自分の作業は速くなった。

でも、仕事全体はほとんど変わっていないかもしれません。

ここで区別したいのが、

「自分が速くなること」と「仕事全体が速くなること」

です。

個人の生産性を高める方法はたくさんあります。

AI。

ショートカット。

タスク管理。

会議術。

どれも役立ちます。

僕自身も使います。

でも、それらは、

「どこを改善するべきか」

までは決めてくれません。

だから改善する前に、

「今、何が成果を止めている?」

と考える。

これは、食品メーカー時代に『ザ・ゴール』を読んで終わった話ではありません。

現在、僕はコンサルティングファームで営業をしています。

製造業のお客様と向き合うときにも、この視点を意識します。

生産性を上げたい。

DXしたい。

自動化したい。

データを活用したい。

企業にはさまざまなテーマがあります。

でも、

「DXならこの施策」

「自動化ならこの技術」

と、解決策から入るだけでは足りない。

その前に、

「そもそも、今どこが全体を止めているんだろう?」

を見る。

設備なのか。

人なのか。

情報なのか。

意思決定なのか。

答えは企業によって違います。

だからこそ、最初から解決策を決めることはできません。

食品メーカー時代に読んだ『ザ・ゴール』。

そこで知ったボトルネックという考え方が、今は製造業のお客様を見るときの視点にも残っている。

僕にとってこの本の一番大きな価値は、ここにあります。

問題がたくさん見えるときほど、一番重要な問題を探す。

もし今、仕事で三つも四つも改善したいことがあるなら。

全部に手をつける前に、

「この中で、一つだけ解決するとしたらどれだろう?」

と考えてみてください。

一つを頑張りすぎると、一日全体では非効率になる

この考え方は、仕事だけの話ではありません。

僕は以前、毎日3時間ほど運動していました。

運動すること自体が好きです。

だから、そこに時間を使うこともできました。

でも今は、1日30分でも十分だと考えています。

これは、

「30分の方が3時間より効果が高い」

という話ではありません。

3時間の運動に意味がないわけでもありません。

目的が違えば、必要な運動量も違います。

僕が変わったのは、

運動だけを見なくなったこと

です。

一日は24時間しかありません。

運動に3時間使えば、その3時間は他のことには使えない。

仕事。

読書。

勉強。

それ以外の時間。

僕がやりたいことは、運動だけではありません。

そう考えると、

「3時間運動できるか?」

ではなく、

「自分の一日全体を考えたとき、ここに3時間使うことが最適なのか?」

という問いになります。

これは『ザ・ゴール』で描かれる部分最適と全体最適にも通じます。

一つの工程だけを最大化しても、工場全体が良くなるとは限らない。

同じように、

運動という一部分だけを最大化しても、自分の一日全体が良くなるとは限りません。

大切なのは、

何時間頑張ったかではなく、その時間をどこへ使ったか。

僕は、頑張ることそのものを減らしたいわけではありません。

必要なところなら、思い切り時間を使いたい。

だからこそ減らしたいのは、

今の自分のゴールをほとんど動かさないところへ使っている時間です。

これは運動に限りません。

あなたが今、一番時間を使っているものは、本当に今のゴールを一番動かしているでしょうか。

成果を変えるのは、「努力量」だけではなく「努力の的中率」だ

『ザ・ゴール』の考え方を自分の仕事や生活に当てはめるとき、僕は、

「努力の的中率」

と考えると分かりやすいと思っています。

意味はシンプルです。

今の成果を止めている場所へ、自分の時間や集中力をどれだけ向けられているか。

たくさん頑張っていても、そのほとんどが今の成果を動かさない場所へ向いている。

一方で、使っている時間は少なくても、その多くがボトルネックへ向いている。

それなら後者の方が、全体を大きく動かすことがあります。

大事なのは、難しい理論ではありません。

自分への問いです。

一日働いた日の最後に、

「今日使った時間のうち、成果を止めている場所へ使った時間はどれくらいあっただろう?」

と考えてみる。

少し怖い問いです。

忙しかった。

メールもたくさん返した。

会議にも出た。

資料も作った。

でも、

「一番重要なところは動いた?」

と聞かれると、答えに詰まる日がある。

だから僕は、

「この仕事は重要か?」

だけではなく、

「この仕事は、今の成果を止めている場所を動かすか?」

と考えたい。

仕事の多くは、ある意味では重要です。

だから「重要かどうか」だけでは、なかなか捨てられません。

でも時間は有限です。

一つを選べば、別の何かには使えなくなる。

だからこそ、

頑張る量を減らすのではない。頑張る場所を絞る。

この考え方が必要になります。


「努力の的中率」は、僕が『ザ・ゴール』の考え方を仕事や生活へ持ち帰るために整理した言葉です。その土台にある「制約へ集中する」という発想をもっと深く理解したい人には、ぜひ本編を読んでみてほしいです。

欲しいスキルが多すぎるときこそ、「今の制約」を一つ選ぶ

僕自身、今もこの問題にぶつかっています。

欲しいスキルが多すぎるんです。

本も読みたい。

新しい知識も身につけたい。

仕事に必要な能力も伸ばしたい。

全部やりたい。

でも、一日は24時間しかありません。

ここで、

「どうすれば全部できるだろう?」

だけを考えると苦しくなります。

『ザ・ゴール』的に考えるなら、問いを変えられます。

「今の自分の成果を一番止めている能力は何だろう?」

この感覚を直感的に理解しやすい映画が、『オデッセイ』です。

火星に一人取り残された主人公には、問題が山ほどあります。

でも、全部を同時には解決できません。

限られた資源の中で、その時点で生存を最も制限している問題から順番に向き合っていく。

一つ解決すれば、次の問題が重要になる。

この構造は『ザ・ゴール』とよく似ています。

制約は、一つ解決して終わりではありません。

一つが動けば、今度は別の場所が制約になる。

学習も同じです。

今の自分に必要な能力へ集中する。

そこが改善したら、次へ進む。

だから、

「一生、一つのことだけをやれ」

という話ではありません。

むしろ僕は、やりたいことが多いからこそ、この考え方が必要だと思っています。

全部やりたいからこそ、一度に全部やらない。

今の制約を一つ解く。

次へ進む。

また解く。

あなたにも、身につけたいことがいくつもあるかもしれません。

その中で今、一つだけ伸ばすなら何でしょうか。

明日から、「何を頑張るか」ではなく「何が止めているか」を考える

では、明日からどう使うか。

難しいTOCの分析をする必要はありません。

やることは三つだけです。

1.ゴールを一つ決める

案件を前へ進めたい。

売上を増やしたい。

仕事を早く終わらせたい。

新しい能力を身につけたい。

まず、一つ決めます。

ゴールが曖昧なら、何がボトルネックなのかも決まりません。

2.ゴールを一番止めているものを一つ決める

ここで、

「もっと頑張ろう」

と考える前に止まります。

知識なのか。

時間なのか。

意思決定なのか。

人との接点なのか。

仕組みなのか。

問題を全部解こうとしない。

今、全体を一番止めているものを一つ探します。

3.それを動かさない仕事を一つ捨てる

ここが重要です。

ボトルネックを見つけて新しい仕事を追加するだけなら、時間は増えません。

だから、

「何をやる?」

と同時に、

「何をやらない?」

を決めます。

明日のToDoを全部書いてみてください。

その横に、明日のゴールを一つ書く。

そして、

「これが動かなければ、ゴールも動かない」

と思う仕事に丸をつける。

最後に、丸がつかなかった仕事から、明日やらなくてもいいものを一つ外す。

全部を捨てる必要はありません。

一つだけです。

空いた時間を、ボトルネックへ戻す。

ゴールを決める。

制約を見つける。

一つ捨てる。

まずは、この三つから始めてみてください。


『ザ・ゴール』は工場改善の物語として読むこともできます。でも、自分の仕事について「今、何が流れを止めているだろう?」と考えながら読むと、違った見え方をする本です。

『ザ・ゴール』から持ち帰ったのは、「ボトルネックを探す癖」だった

この記事の最初に、こんな質問をしました。

「今日、一番重要な仕事は前に進みましたか?」

一日中働いていた。

たくさんの仕事を終わらせた。

それでも、この問いに答えられない日があります。

食品メーカーで営業をしていた頃に読んだ『ザ・ゴール』。

製造業で働いていた僕には、ボトルネックという考え方が強く残りました。

そして今。

僕はコンサルティングファームで営業をしています。

製造業のお客様と向き合うときにも、

「今、この会社の成果を止めているものは何だろう?」

と考えます。

仕事だけではありません。

運動でも。

学習でも。

使える時間は有限です。

だから、全部を最大化することはできません。

『ザ・ゴール』には、TOCやスループットなど、学べる概念がたくさんあります。

でも僕がこの本から一つだけ持ち帰るなら、専門用語ではありません。

問題がたくさん見えたときほど、「今、本当に全体を止めているのはどこだ?」と考える癖です。

成果が足りないとき。

すぐに努力を増やさなくていい。

まず、努力の向きを確認する。

そして成果を止めている場所が見つかったら、そこでは思い切り頑張る。

明日も、やるべき仕事はたくさんあると思います。

全部を頑張る前に、一つだけ考えてみてください。

今日、一番重要な仕事を止めているものは何だろう?

そこへ時間を使う。

それ以外を、一つだけ減らす。

頑張る量を減らすのではない。頑張る場所を絞る。

僕が『ザ・ゴール』から今も持ち続けているのは、この考え方です。

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