ビジネス/スキル

上司がいなくても、あなたは仕事を決められますか?──『ティール組織』から学んだ自律して働くということ

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「自由に働ける会社なら、もっと主体的に働けるのに」と思ったことはありませんか?『ティール組織』の自主経営・存在目的・助言プロセスから、自律して働くとは何かを考えます。自由と放任の違い、利益と存在目的の関係、そして明日から持てる「自分の判断軸」まで、仕事への活かし方を紹介します。

みなさんこんにちは!サラリーマンの大樹です!

突然ですが、一つ質問があります。

明日から上司がいなくなったら、あなたは自分で仕事を決められますか?

「最高じゃん」

そう思う人もいるかもしれません。

細かな報告もいらない。

いちいち承認を取らなくてもいい。

自分が正しいと思ったことを、自分のタイミングで進められる。

僕自身、どちらかといえば自由に任せてもらう方が仕事はやりやすいです。

ただ、実際に仕事をしていると、

「ここは細かく教えてほしい」

と思う場面もあります。

何を基準に決めればいいのか分からない。

知らない領域だから、自分だけでは判断できない。

そんなとき、僕は人に聞きまくります。

自由に働きたい。

でも、何でも一人で決められるわけではない。

この二つは矛盾しているようにも見えます。

『ティール組織』には、この「自分で判断して働く」ということを考えるヒントがあります。

「ティール組織」と聞くと、

上司がいない会社。

階層のない会社。

社員が自由に働く会社。

そんなイメージを持つかもしれません。

でも、この本で本当に面白いのは「上司をなくす」という話ではありません。

もっと根本にあるのは、

人は何を基準に、自分で判断するのか。

という問いです。

僕は、自律とは「一人で何でもできること」ではないと思っています。

自律とは、判断軸を持ち、必要な人から知恵を借りながら、最後は自分で答えを出すこと。

今回は『ティール組織』を通して、この「自律して働く」ということについて考えてみます。

自由に働ければ、自律できるわけではない

「もっと裁量がほしい」

仕事をしていると、そう思うことがあります。

何をするにも上司へ確認。

資料を直すにも確認。

顧客へ提案するにも確認。

新しいことを始めるにも確認。

これが続けば、

「もう少し自由にやらせてくれればいいのに」

と思うのは自然です。

僕も、基本的には細かく管理されるより、任せてもらった方が動きやすいタイプです。

でも、ここで一つ問題があります。

自由になった瞬間、自律できるのか。

これは別の話です。

たとえば、初めて扱うテーマの仕事を任されたとします。

上司から言われるのは、

「自由にやっていいよ」

だけ。

一見、理想的です。

でも、

何をゴールにするのか。

何を優先するのか。

どこまで自分で決めていいのか。

誰に確認すべきなのか。

何をもって「良い仕事」とするのか。

そこが分からなければ、自由はむしろ難しくなります。

僕自身、分からないことがあれば聞きます。

知っている人に聞く。

経験した人に聞く。

専門性のある人に聞く。

自分だけで答えを出すことにはこだわりません。

ここで大切なのは、

「人に聞くこと」と「人に決めてもらうこと」は違う

ということです。

自律の反対は、質問することではありません。

判断そのものを誰かに預けてしまうことです。

自由とは、単に上司から離れることではない。

自分で判断する責任まで引き受けて、初めて自由は自律へ変わるのだと思います。

自由を与えるだけでは、自律は生まれない。

では、自分で判断するための「軸」はどこから生まれるのでしょうか。

ここから『ティール組織』が面白くなります。

『ティール組織』が面白いのは「上司がいないこと」ではない

『ティール組織』は、フレデリック・ラルーが世界各地の組織を調査し、従来とは異なる組織のあり方を考察した本です。

本書では、人類の組織形態の発達をいくつかの段階として整理しています。

そして、その先に現れつつある組織として提示されるのが「ティール」です。

ただ、この本を色分けされた組織モデルの解説として読むだけでは、少しもったいない。

ティール型組織を理解するうえで重要なのが、主に三つの特徴です。

自主経営(セルフマネジメント)

従来型の強い階層構造に頼らず、メンバーが自律的に意思決定する。

全体性(ホールネス)

会社用の人格だけではなく、人間としての自分をより自然な形で仕事へ持ち込める環境をつくる。

存在目的(エボリューショナリー・パーパス)

組織を経営者が思いどおりに動かす機械ではなく、独自の方向性を持ちながら進化していく存在として捉える。

今回、特に考えたいのは一つ目と三つ目です。

自主経営と存在目的。

なぜなら、

「自分で決めてください」

だけでは組織は動かないからです。

100人が100人とも好きな方向へ走れば、それは自律した組織ではありません。

ただのバラバラな集団です。

だから、

自分で判断することと、同じ方向へ進むことをどう両立させるのか。

ここが重要になります。

『ティール組織』は、その難しい問題を考える材料を与えてくれる本です。

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『ティール組織』では、自主経営・全体性・存在目的について、実際の組織事例を交えながら詳しく紹介されています。この記事では「自律して働く」というテーマに絞りますが、本書そのものでは、組織のあり方をより広い視点から考えることができます。

自律する人には「何を大切にするか」という判断軸がある

僕が営業として仕事をするとき、判断基準の一つにしていることがあります。

顧客目線で、その商品や提案に価値があるか。

売れる可能性がある。

数字になる。

それだけでは提案しません。

顧客にとって商品価値がないと判断すれば、提案しない。

理由はシンプルです。

信用に響くからです。

営業では、こちら側に売りたい理由があったとしても、顧客側に買う価値があるとは限りません。

だから、

「自分たちが売りたいか」

だけではなく、

「顧客から見ても価値があるか」

を見る必要があります。

これは、毎回誰かに確認して決めているわけではありません。

僕が仕事をするときに持っている判断軸の一つです。

一方で、その判断に必要な知識が自分に足りなければ、僕は聞きます。

分からない領域なら、分かる人に聞く。

細かく教えてほしいところなら、教えてもらう。

つまり、

判断軸を持つことと、人に頼ることは両立する。

ここが重要です。

「自分で考えろ」

と言われたからといって、知らないことまで一人で考え続けても、判断の質は上がりません。

むしろ、知識が足りないなら取りにいった方がいい。

ただし、最終的に、

「この提案には顧客目線で価値があるのか」

を考えるのは自分です。

ここに、自律を考えるヒントがあります。

判断軸がなければ、毎回、

「上司ならどうするだろう」

「会社は何と言うだろう」

「これをやって怒られないだろうか」

と、正解を外側に探すことになります。

でも、

自分は仕事で何を大切にするのか。

これがある程度決まっていれば、自分で考えられる範囲は広がります。

もちろん、判断軸を持つことは独断で動くことではありません。

答えをもらうためではなく、

自分で判断するために聞く。

これが、僕にとっての「人に聞く」と「指示を待つ」の違いです。

「会社は何のために存在する?」に、僕はすぐ答えられなかった

ここで『ティール組織』の「存在目的」について考えてみます。

この記事の企画を考えているとき、

「会社って、そもそも何のために存在するんだろう?」

という問いが出ました。

僕自身、すぐには答えが出ませんでした。

利益を出すため?

顧客へ価値を提供するため?

社員が生活するため?

社会を良くするため?

どれか一つを即答するのは難しい。

僕自身、会社へ入るときには、その会社がやろうとしていることに共感して入っています。

でも、日々仕事をしながら会社の理念を思い出して、

「今日もこの理念に従って仕事をしよう」

と考えているわけではありません。

多くの会社員にとっても、「存在目的」は普段の仕事から少し遠い言葉かもしれません。

目の前には会議があります。

メールがあります。

顧客からの依頼があります。

売上目標があります。

締め切りがあります。

仕事は具体的です。

一方、「会社の存在目的」はかなり抽象的に聞こえます。

でも、自主経営とセットで考えると意味が変わります。

上司がすべてを決めないのであれば、現場の人間が判断しなければなりません。

そのとき、

「私たちは何のために存在しているのか」

という共通する方向がなければ、それぞれが違う「正しさ」で判断することになります。

存在目的は、壁に貼る美しい言葉だけでは足りない。

本当に自律を目指すなら、

現場が自分で判断するときの方向を示すもの

でなければ意味がないのです。

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『ティール組織』の「存在目的」は、単なる企業理念のつくり方ではありません。組織そのものにどんな方向性があり、それをどう感じ取りながら進んでいくのか。本書の中でも特に独特で、考えさせられるテーマです。

利益が目的ではないなら「NPOでよくない?」と思った

存在目的を大切にする。

利益最大化だけを目指さない。

そう聞いたとき、僕が最初に思ったのは、

「それならNPO法人でよくない?」

でした。

営利企業である以上、利益は必要です。

給与を払う。

投資する。

商品やサービスをつくる。

会社を存続させる。

利益がなければ、どれも続けられません。

だから「利益なんて考えなくていい」という話ではない。

僕は、

利益を出すことと、利益を目的にすることは違う

と整理すると分かりやすいと思います。

存在目的が「どこへ向かうか」だとすれば、

利益は「そこへ向かい続けるために必要なもの」。

どちらか一方ではありません。

会社が自律的な判断を現場へ任せるなら、

「数字になるか」

だけではなく、

「そもそも自分たちは何を実現する組織なのか」

という方向も必要になる。

だから存在目的が、自主経営とつながってくるのだと思います。

利益を出すことと、利益を目的にすることは違う。

さらに『ティール組織』では、存在目的を経営者が一度決めて固定するものとして扱いません。

環境や社会の変化を感じ取りながら、組織自身の方向も進化していく。

だから「エボリューショナリー・パーパス(進化する存在目的)」なのです。

重要なのは、きれいな理念をつくることではありません。

現場が自分で判断するときに、同じ方向を向けること。

今回の記事では、ここを一番大切にしたいと思います。

『攻殻機動隊』の公安9課は、リーダーがいるからこそ面白い

ここで少し、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』を思い出してみます。

この作品には、公安9課という専門家集団が登場します。

サイバー犯罪やテロなど、高度な事件へ対応する組織です。

そして重要なのは、

公安9課にはちゃんとリーダーがいる

ということです。

荒巻大輔というトップがいる。

だから、

「リーダーなんていらない」

という組織ではありません。

一方、現場のメンバーが、何から何まで荒巻の細かな指示を待っているわけでもない。

草薙素子をはじめ、それぞれ異なる専門性を持ったメンバーが、状況に応じて動きます。

これが今回の「自律」を考えるうえで分かりやすい。

自律したチームとは、

リーダーが存在しないチームではない。

リーダーが一人ですべての答えを持たなくても動けるチームです。

現場の方が詳しいこともある。

専門家にしか判断できないこともある。

状況が速く変化して、いちいち上まで判断を戻している時間がないこともある。

そんな環境では、

「上司が正解を出し、部下が実行する」

だけでは遅くなります。

だからこそ、それぞれが組織の方向を理解し、自分の専門性を使って判断する。

仕事が複雑になるほど、一人の上司がすべての専門知識を持つことは難しくなります。

だから必要なのは、

上司をなくすことではなく、上司だけが考える状態をなくすこと。

この違いは大きいと思います。

人に聞くことは「指示待ち」ではない

では、自分で判断できないときはどうするのか。

ここで『ティール組織』に登場する考え方の一つが、助言プロセスです。

自主経営という言葉から、

「自分のことは全部自分で決める」

というイメージを持つかもしれません。

でも、それでは組織として危険です。

自分の判断が他人へ大きな影響を与えることもあります。

自分より詳しい専門家がいることもあります。

だから重要な意思決定では、影響を受ける人や、その分野に詳しい人から助言を求める。

ただし、

最後の判断まで相手へ渡すわけではない。

ここが面白いところです。

これは僕自身の仕事の仕方とも重なります。

分からなければ、僕は聞きます。

必要なら細かく教えてもらいます。

一人で何時間も抱え込んで、

「自分だけで答えを出すことが主体性だ」

とは考えません。

でも、聞いた相手に判断そのものを預けるのとは違います。

聞く目的は、

判断の質を上げるため。

指示待ちなら、正解そのものを相手に求めます。

一方、自律するための質問なら、自分で決めるために足りないものを取りにいく。

経験の浅い仕事なら、最初はやり方まで教えてもらえばいい。

そこから少しずつ、自分で判断できる範囲を増やしていけばいい。

最初から何でも一人でできる必要はありません。

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「上司がいない会社」というイメージだけでは、『ティール組織』の自主経営は理解しにくいと思います。実際の組織がどう意思決定しているのかまで読むと、「自由」と「自律」がまったく違うことが見えてきます。

自律とは、一人で答えを出す能力ではない

ここまでの話を整理すると、自律に必要なのは「一人でできる能力」ではありません。

仕事では、自分が知らないことがいくらでも出てきます。

専門外のこともある。

経験したことのない案件もある。

判断に迷うこともある。

そんなときまで、

「自律しているなら一人で決めなければならない」

と考える必要はない。

むしろ危険です。

僕が考える自律は、

何を大切にするかという判断軸を持ち、足りない情報は人から集め、最後は自分で決めること。

です。

ここには三つあります。

目的がある。

どちらへ進みたいのかが分かる。

他者を頼れる。

自分の知識だけを過信しない。

最後は自分で判断する。

責任まで他人へ渡さない。

この三つが揃って初めて、自律して働けるのではないでしょうか。

そして、これを個人ではなく組織全体で実現しようとすると、『ティール組織』の話につながっていきます。

各人が判断する。

でもバラバラにはならない。

必要なら他者から助言を得る。

でも上司の承認だけで仕事を進めるわけではない。

その背景には、

「私たちは何のために存在しているのか」

という共通する方向がある。

だから、自主経営と存在目的は別々の話ではないのだと思います。

明日から「自分は仕事で何を守るのか」を一つ決めてみる

では、普通の会社員である僕たちは何をすればいいのでしょうか。

会社を明日からティール組織へ変えることはできません。

上司をなくすこともできません。

組織構造を勝手に変えることもできません。

でも、自分の働き方なら少し変えられます。

僕がおすすめしたいのは、一つだけです。

「自分は仕事で何を守るのか?」

を考えてみること。

立派な言葉でなくていい。

僕の場合、その一つが、

顧客目線で商品価値があるか

です。

この軸だけですべてを判断できるわけではありません。

だから迷ったら聞く。

必要なら細かく教えてもらう。

自分より詳しい人の意見を取りにいく。

そのうえで、

「自分はどうするか」

を考える。

これなら、今の会社がティール組織でなくてもできます。

ティール組織になることがゴールではありません。

自分の仕事を、誰かの指示だけで動くものにしないこと。

そこから始めればいい。

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『ティール組織』は592ページある大著で、組織論として読むとかなり骨太な一冊です。ただ、「自分は何を基準に働いているのか」という問いを持って読むと、経営者や管理職だけではなく、一人の会社員にも関係する本として読めると思います。

上司がいなくても働ける人は、一人で何でもできる人ではない

最初の質問へ戻ります。

明日から上司がいなくなったら、あなたは自分で仕事を決められますか?

僕自身、何でも一人で決められるわけではありません。

分からないことはあります。

細かく教えてほしいこともあります。

だから、人に聞きます。

それでも、自分の仕事の判断そのものまで、すべて誰かへ渡す必要はない。

『ティール組織』を通して考えると、自律とは「誰にも頼らないこと」ではありません。

そして「好きに働くこと」でもありません。

自律とは、自分なりの判断軸を持ち、必要な人から知恵を借りながら、最後は自分で答えを出すこと。

会社にも同じことが言えます。

一人ひとりへ自由を与えるだけでは、組織はバラバラになる。

だから、

「私たちは何のために存在しているのか」

という共通する方向が必要になる。

利益も重要です。

利益がなければ会社は続きません。

でも、利益を出した先で何を実現したいのか。

そこまで考えて初めて、数字は進む方向と結びつきます。

『ティール組織』を読んだからといって、明日から会社の組織構造を変える必要はありません。

まずは自分に問いかけてみてください。

「自分は仕事で、何を守るのか?」

その答えが一つあるだけでも、仕事の判断は変わっていきます。

そして迷ったら、人に聞けばいい。

聞いたうえで、自分で決める。

それが、僕が『ティール組織』から学んだ「自律して働く」ということです。

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