ビジネス/スキル

なぜ企業は、自社でできる仕事をコンサルに頼むのか。──『コンサルティング業界大研究』から学んだ外部活用の考え方

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「社内でもできる仕事なのに、なぜ高い費用を払ってコンサルへ依頼するのか?」『コンサルティング業界大研究』をきっかけに、現役のコンサル営業として感じてきた外部活用の意味を考えます。重要なのは、内製か外注かではありません。ゴールに対して「今、何が足りないのか」を見極めることです。

みなさんこんにちは!サラリーマンの大樹です!

突然ですが、こんな疑問を持ったことはありませんか?

「それ、わざわざコンサルに頼まなくても、社内でできるんじゃない?」

僕はあります。

むしろ、コンサルティング業界について知れば知るほど、自然な疑問だと思っています。

コンサルティングファームへ仕事を依頼すれば、当然ながら費用がかかります。

一方、事業会社にも優秀な人はたくさんいます。

専門部署もある。

長年その会社で働いているからこそ、事業や社内事情についてコンサルタントより詳しい人もいるでしょう。

それなら、自社でやった方がいい。

その方が費用も抑えられる。

かなり合理的な考え方です。

僕自身、昔『コンサルティング業界大研究』を読んだとき、特に印象に残ったのが、コンサルティングファームが企業へ提供する「機能」についての説明でした。

コンサルというと、

「専門知識を持った人が分析して、答えを教えてくれる」

というイメージを持つ人もいると思います。

でも、本書で整理されている役割は、それだけではありません。

そして現在、僕自身がコンサルティングファームの営業として働いていると、本書で読んだ「機能」という捉え方が、実際の仕事ともつながって見えます。

営業をしていると、

「それなら社内でもできます」

という趣旨の話になることがあります。

僕は、それなら全然やってもらっていいと思っています。

社内でできるなら、無理に外部を使う必要はありません。

でも、そこで一つだけ気になることがあります。

できるのに、なぜ今できていないのか。

「できる」と「進んでいる」は、似ているようで違います。

この記事では『コンサルティング業界大研究』をきっかけに、企業が外部の力を使う意味について考えます。

僕がこの記事で伝えたいことは一つです。

外部を使うかどうかは、「社内でできるか」ではなく、「ゴールに対して今の組織に何が足りないか」で決める。


『コンサルティング業界大研究』は、コンサルティング業界の構造、仕事内容、主要ファームなどを俯瞰して理解できる一冊です。

僕が特に面白いと感じたのは、「どんな会社があるか」だけではなく、「コンサルティングファームは企業へ何を提供しているのか」を機能から捉えられるところでした。

なぜ企業は、自社でできる仕事をコンサルに頼むのか

コンサルティング会社のサービスは、決して安くありません。

だからこそ、

「なぜ企業は外部に頼むのだろう?」

という疑問が生まれます。

社内にまったく知見がない仕事なら分かりやすい。

経験者がいない。

必要な技術がない。

専門知識がない。

それなら外部の専門家へ頼む理由があります。

でも、実際の仕事はそれほど単純ではありません。

営業として顧客と話していると、

「それなら社内でもできる」

という趣旨の話になることがあります。

僕は、ここで無理にコンサルを使ってもらう必要はないと思っています。

本当に社内でできるなら、社内でやればいい。

ただ、僕が見るのはその先です。

「社内でできると思っている」のか。

「すでに社内で始めている」のか。

「始めていて、順調に進んでいる」のか。

この三つでは、状況がまったく違います。

たとえば、すでに社内で取り組みが始まっていて、ゴールに向けて順調に進んでいる。

それなら、少なくとも「外部を入れなければ進められない」という状態ではありません。

一方で、

「社内でできます」

と言いながら、まだ始まっていない。

あるいは、すでに始めているけれど何らかの理由で止まっている。

この場合は、

「できるかどうか」だけを確認しても、問題の正体は見えてきません。

必要なのは、

「では、なぜ今は進んでいないのか?」

という次の問いです。

僕は、ここに外部活用を考える入口があると思っています。

コンサルが企業へ提供しているのは「答え」だけではない

この疑問を考えるとき、『コンサルティング業界大研究』で印象に残った部分があります。

本書では、コンサルティングファームが企業へ提供するものを、複数の「機能」として整理しています。

たとえば、人材。

情報提供。

ファシリテーション。

外圧。

アウトソーシング。

この整理が面白い。

なぜなら、

「コンサル=企業が知らない答えを教える人」

だけでは説明できないからです。

もちろん専門知識は重要です。

でも、企業が前へ進まない理由が「答えを知らないこと」とは限りません。

答えの方向性は分かっている。

でも、進める人が足りない。

必要な情報がない。

関係者が多く、議論がまとまらない。

日常業務があり、実行するリソースを確保できない。

社内だけでは動かしにくいテーマがある。

そんな場合もあります。

つまり、企業が外部から得ようとしているものは一種類ではない。

「何が足りないのか」によって、必要な機能が変わる。

僕は、この5つの機能がまとまっている点が、他のコンサル業界本と比べても印象に残りました。

業界研究というと、

「どのファームが何に強いか」

「戦略系か、総合系か、IT系か」

といった会社分類へ目が向きやすい。

もちろん、それも大切です。

でも企業側から考えるなら、

「そのファームは何という種類なのか」より、「自社に必要な機能を提供できるのか」

を見る方が実務的です。

僕自身、仕事のなかで他企業の事例や知見が価値になる場面があります。

具体的な内容は機密なので書けません。

ただ、自社の中だけを見ていては得にくい情報が、判断材料になることはあります。

だからこそ、コンサルの価値を「答えを知っていること」だけに限定すると、本当の役割を見落としてしまいます。


『コンサルティング業界大研究』を読むなら、ファーム名を覚えるだけではなく、「企業はコンサルから何を買っているのか」という視点で読んでみると面白いと思います。

僕自身、5つの機能という整理が、実際にコンサル営業として働く今の視点にもつながっています。

「社内でできる」なら、本当に外部は必要ない

ここで、一度はっきりさせておきたいことがあります。

この記事は、

「企業はもっとコンサルを使うべきだ」

という記事ではありません。

僕自身、そうは思っていません。

社内でできていて、順調に進んでいるなら、そのまま進めればいい。

外部を使うこと自体に価値があるわけではないからです。

目的は、

「コンサルを使うこと」

ではありません。

「ゴールへ到達すること」

です。

当たり前に聞こえるかもしれません。

でも「内製か外注か」という話になると、この順番が逆になりやすい。

内製できるなら内製。

できないなら外注。

これだけなら分かりやすい。

でも実際には、

能力としてできることと、実際に進められていることは違います。

知識はある。

担当者もいる。

社内に経験者もいる。

それでも進まないことはあります。

だから、

「できますか?」

で終わらせない。

その次に、

「今、実際にどこまで進んでいますか?」

を見る。

ここまで見て初めて、外部を使う必要があるのかを考えられると思っています。

大切なのは「できるか」ではなく、「なぜ今できていないのか」

僕は仕事の中で、「社内でできる」という状態を三つに分けて考えています。

一つ目は、

「社内でできると思っている」状態。

知識も人もいる。

だから、おそらく自社でできる。

ただ、まだ実際には始めていない。

二つ目は、

「すでに社内で始めているけれど、思うように進んでいない」状態。

担当者もいる。

取り組みも始まっている。

でも、何らかの理由で止まっている。

三つ目は、

「すでに社内で始めていて、順調に進んでいる」状態。

この三つは、同じ「できます」でも意味が違います。

三つ目なら、基本的にはそのまま進めればいい。

考えたいのは、一つ目と二つ目です。

なぜ、まだ始められていないのか。

なぜ、始めたのに進んでいないのか。

ここまで掘ると、初めて本当の課題が見えてきます。

人が足りないのか。

必要な専門性がないのか。

情報が足りないのか。

関係者を巻き込めていないのか。

実行する時間がないのか。

原因が違えば、必要な打ち手も変わります。

だから僕は、

「できるのに、なぜ今できていないのかが大切」

だと考えています。

「社内でできる」という言葉を否定する必要はありません。

むしろ、その言葉を出発点にする。

できる。

では、今どの状態なのか。

もし進んでいないなら、何が止めているのか。

そこまで見て初めて、

「自社で続けるのか」

「社内の別の力を借りるのか」

「外部を使うのか」

を判断できます。

外部を使う前に、「自社に何が足りないか」を特定する

では、社内だけでは思うように進んでいないと分かったら、すぐコンサルへ依頼すればいいのでしょうか。

これも違います。

次に見るべきなのは、

ゴールに対して何が足りていないのか。

です。

ここを飛ばして、

「とりあえずコンサルを入れよう」

と考えても、必要な支援は決まりません。

たとえば、プロジェクトが進んでいない。

「人が足りない」と考えたとします。

でも、本当に人数の問題でしょうか。

人はいるけれど、そのテーマを経験した人がいないのかもしれない。

ならば足りないのは「人数」ではなく「専門性」です。

専門家もいる。

人もいる。

でも、複数の部署が関係していて話がまとまらない。

それなら必要なのは、専門家をさらに増やすことではなく、議論を整理して前へ進める機能かもしれません。

あるいは、判断材料が不足している。

その場合は、外部事例や市場情報が必要かもしれない。

ここで、本書の5つの機能が再びつながります。

人材。

ファシリテーション。

情報。

外圧。

アウトソーシング。

企業が前へ進むために不足するものには、いくつもの種類がある。

だから僕は、

「コンサルを使うか?」から考えない方がいい

と思っています。

先に考えるのは、

「今回のゴールに対して、今何が足りない?」

です。

不足しているものが分かったあとで、それをどう補うかを決める。

自社のメンバーで補えるかもしれない。

別部署から協力を得ればいいかもしれない。

採用という選択肢もある。

そして、必要に応じて外部の専門家を使う。

外部ありきではない。

ゴールから逆算する。

この順番です。

『Dr.STONE』を見ていると、この構造を思い出します。

千空は圧倒的な科学知識を持っています。

それでも、大きな目的を一人ですべて実現するわけではありません。

ゴールに必要なものを考え、自分だけでは補えない力を組み合わせて前へ進む。

大切なのは、

「一人でできるか」ではなく、「ゴールに必要な力が揃っているか」。

企業のプロジェクトでも同じだと思います。

社内に優秀な人がいるかどうかだけではなく、

今回のゴールに必要な機能が揃っているか。

そこを見る。


『コンサルティング業界大研究』は業界研究の本ですが、企業がコンサルを使う理由まで考えながら読むと、違った見え方ができます。

「コンサルは何をする会社なのか」ではなく、「企業にどんな機能を提供しているのか」。

この視点が、今回僕が一番仕事へ持ち帰った部分です。

コンサルを使うのが上手い企業ほど、「何を補ってほしいか」が明確

営業として顧客と接していて感じることがあります。

コンサルを使うのが上手い顧客は、

解決策に対して、自社で足りていないものが明確です。

これは大きな違いです。

目指しているゴールがある。

自社でも考えている。

そのうえで、

「ここが足りない」

が見えている。

そうすると、僕たちとのゴールも明確になります。

何を支援すればいいのか。

どんな専門性が必要なのか。

誰を連れていくべきなのか。

僕自身、顧客との商談では専門家と一緒に話すことが日常的にあります。

案件によって必要な専門性は違います。

僕は営業なので、すべての領域について専門家である必要はありません。

むしろ、

必要な専門家を出せなければ、コンサルティングファームとして提供できる価値は限られる。

僕はそう考えています。

顧客の課題を理解する。

目指すゴールを理解する。

何が足りないのかを考える。

そして、その不足を補える人をつなぐ。

これも営業として提供できる価値の一つです。

だから、コンサルティングファームを選ぶときも、会社のイメージだけで判断しない方がいい。

僕は以前、コンサル業界について複数の本を読んだとき、各ファームについて書かれている内容が本によって異なることが印象に残りました。

実務でも、各社の対応範囲は固定されたものではないと感じます。

だからリプレイス対象となるファームを見るときも、書籍の情報だけで判断しません。

公式サイトを細かく確認する。

社内に類似案件へ携わった人がいるなら、情報を取りにいく。

実際にどんな支援をしているのか。

どんな領域まで対応しているのか。

どう評価されているのか。

ファームのイメージと、現在の支援内容は必ずしも同じではありません。

本は、業界を見るための地図にはなります。

でも、地図は更新されます。

だから実務では、生の情報を取りにいく。

この姿勢も、本書を仕事へつなげるうえで大切だと思っています。

外部を使うことは「弱さ」ではなく、ゴールから逆算した選択である

ここまでの話は、コンサルティングだけに限りません。

普段の仕事でも、

「これは自分でできる」

と思うことがあります。

もちろん、自分でできることを自分でやるのは悪くありません。

むしろ、その方が早い仕事もたくさんあります。

でも、

「自分でできる」と「自分でやるのが最適」は同じではありません。

仕事の目的は、何でも一人で処理することではない。

ゴールへ進むことです。

自分でやる。

同僚に聞く。

別部署を巻き込む。

専門家へ相談する。

外部へ依頼する。

選択肢はいくつもあります。

その中から、今のゴールに合う方法を選べばいい。

内製だから正しいわけでもない。

外注だから効率的なわけでもない。

大切なのは、

必要なものを必要な場所から持ってくること。

それだけです。

これは「頼る」というより、仕事を前へ進めるための設計に近いと思っています。

「できるはず」で止めず、「何が足りない?」と問い直そう

明日からできることは、一つです。

仕事が止まったとき、

「これ、自分たちでできる?」

だけで終わらせない。

もう一つ問いを追加します。

「ゴールに対して、今何が足りない?」

たとえば、

「資料が作れない」

なら、

本当に資料作成能力がないのでしょうか。

必要なデータがないのかもしれない。

判断基準が決まっていないのかもしれない。

「プロジェクトが進まない」

なら、

人が足りないのか。

専門性が足りないのか。

情報が足りないのか。

関係者との合意形成が止まっているのか。

原因によって、補うものは変わります。

足りないものが分かったら、

「では、どう補う?」

を考える。

自社で補えるなら、自社でやる。

社内の別の力を借りられるなら、借りる。

それでも足りないなら、外部を使う。

『コンサルティング業界大研究』を読んだとき、僕が特に印象に残ったのは、コンサルティングファームが企業へ提供する機能でした。

そして実際にコンサル営業として働く今、その意味を以前より具体的に感じています。

企業が外部へ求めているものは一つではありません。

だから、

「コンサルを使うべきか」

から始めなくていい。

まずゴールを見る。

次に現在地を見る。

そして、

できるのに、なぜ今できていないのか。

と問い直す。

そこで不足しているものが見えてきます。

社内で補えるなら、それでいい。

外部が必要なら、使えばいい。

重要なのは、内製を選んだか、外注を選んだかではありません。

ゴールに対して必要な力を揃え、仕事を前へ進められたか。

企業がなぜコンサルを使うのか。

その疑問を考えていくと、僕はこのシンプルな仕事の原則にたどり着きました。


「コンサルティング会社って、結局何をしているの?」

そんな疑問がある人にとって、『コンサルティング業界大研究』は業界全体を見る入口になります。

ファームの名前や特徴を覚えるだけではなく、「企業はコンサルから何を買っているのか?」という視点で読むと、外部の力を使う意味まで考えられる一冊です。

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